時系列順シナリオ表

<684(天武十二)年>
人物 堕辰子 日時 684年/11:59:57
場所 眞魚岩
解説 すべての始まりと言える出来事。
八尾比沙子を含む村人3人が、餓えに耐え切れず堕辰子の肉を口にしてしまう。しかし常世の存在を人間が口にすることは許されないことであったため、堕辰子がその泣き声を発した時、肉を食していた村人は皆死に耐えるが、八尾だけは妊婦であったためか生き残る。そして永遠の呪いをその身に受けることとなる。

<1976(昭和51)年>
人物 竹内多聞 日時 1976年/23:59:56
場所 大字粗戸/竹内家
解説 27年前に起こった異変により、土砂災害に巻き込まれる竹内家。しかし幼き時の竹内多聞だけは異界に巻き込まれることなく、瓦礫と化した村の中、ただ一人で両親の姿を探し続ける。

<数日前>
人物 牧野慶 日時 数日前/16:45:21
場所 刈割/不入谷教会
解説 神代家の使いである宮田司郎によって、神の花嫁である神代美耶子に御印(初潮)が表れたことを知らされる求導師・牧野慶と求導女・八尾比沙子。
牧野は皆から注がれる期待と儀式の失敗に対する不安に耐え切れず、慈愛に満ちた八尾にすがりつく。

<前日>
人物 須田恭也 日時 前日/9:28:57
場所 上粗戸/眞魚岩
解説 パンクしたマウンテンバイクの傍らで途方に暮れる須田恭也。仕方なく歩いていくと、白い犬を連れた少女・神代美耶子と出会う。しかし近づく村人の声に美耶子は犬とともに逃げ出してしまう。
美耶子はこの時、御神体である堕辰子の首を破壊していた。そのために儀式は失敗し、村は異界に巻き込まれることとなる。
なお、近づいてくる村人は「あのよそ者を追い払え」らしき言葉を口にしている。この「よそ者」が誰かは不明だが、おそらく美浜たち「ダークネスJAPAN」のスタッフであろう。
なお、恭也はこの後ずっとこの場所にとどまっていたわけではなく、いったん泊まる場所を探しに村へ下りていったようである。しかし、宿の人が泊めてくれなかったため、仕方なく野宿の準備をしようとしていたところ、本祭へ向かう人を発見し、こっそりそれに付いていったようである。

人物 須田恭也 日時 前日/23:11:03
場所 上粗戸/眞魚岩
解説 怪しげな儀式が始まり、それを陰で見ている恭也。しかし、その途中で見つかってしまい、恭也はとっさに逃げ出す。なんとか逃げ出したと思った矢先に表れたのは、アルコールの影響で半屍人になりかけていた巡査・石田徹雄だった。

人物 須田恭也 日時 前日/23:59:24
場所 上粗戸/眞魚川護岸工事現場
解説 誤って(?)軽トラックで石田を跳ね飛ばしてしまった恭也。慌てて救助を求めようとしたその時、突然地面が揺れ始め、異様な感覚に襲われる。その直後、サイレンのような音が一帯に鳴り響き、その音に呼び覚まされたかのように、瀕死のはずの石田が起き上がる。
戸惑う恭也に石田は迷うことなく拳銃を発砲し、胸に銃弾を受けた恭也は崖下へと転落していった。

<初日>
人物 竹内多聞 日時 初日/2:18:34
場所 大字波羅宿/耶辺集落
解説 意識を取り戻した竹内多聞は、目の前に広がる赤い海に愕然とする。周囲を徘徊する不穏な気配を感じ、まったく状況をつかめずに騒ぎ立てる教え子の安野依子を連れて、探索を開始する。
竹内がどうやって銃を手に入れたのかは謎だが、27年ぶりに行われる村の秘祭の情報を得て、「またあの日のような惨事が起こるのではないか」と薄々感づいていたためにわざわざ入手したようである。

人物 高遠玲子 日時 初日/2:18:34
場所 羽生蛇村小学校折部分校/図書室
解説 竹内が行動を開始したのと同時刻、教師・高遠玲子とその生徒・四方田春海は小学校の図書室に身を潜めていた。「校長先生が助けに来てくれる」とわずかな希望にすがるが、近づく屍人の足音に恐怖を感じる。怯える春海を助けるために、高遠は行動を開始する。

人物 須田恭也 日時 初日/2:28:13
場所 大字粗戸/眞魚川岸辺
解説 意識を取り戻した恭也は、撃たれたはずの傷が消えていることを不思議に思い、川が赤く染まっている気づき言いようのない恐怖に駆られる。パニックに陥る恭也の前に八尾比沙子が現れる。
この時の八尾は、眞魚教の教義を受け継ぐ献身的で慈愛に満ちた求導女そのものであり、「恭也を助けよう」という純粋な思いしか抱いていない。

人物 宮田司郎 日時 初日/3:31:17
場所 蛇ノ首谷/折臥ノ森
解説 森の中で意識を取り戻す宮田。傍らに土塊とビニールシートの端切れが散乱し、死んでそこに埋めたはずの恋人・恩田美奈の遺体がなくなっていることに愕然とする。

人物 恩田理沙 日時 初日/4:00:04
場所 田堀/廃屋
解説 意識を取り戻した恩田理沙は、気絶する前まではそこに存在しなかった民家を見て戸惑いを覚える。誰もいないと思いながらも、人の不在を確かめずにはいられない理沙。その背後に不穏な気配を感じ、咄嗟に理沙は身を隠す。

人物 牧野慶 日時 初日/5:03:07
場所 大字粗戸/眞魚川岸辺
解説 突然起こった異変に成すすべなくさ迷い歩く牧野。消えた八尾の身を案じ、不安と恐怖に襲われながらも、なんとか気力を振り絞り、行動を開始する。

人物 須田恭也 日時 初日/7:13:29
場所 刈割/不入谷教会
解説 八尾に連れられて教会にたどり着く恭也。村と教会の特異な成り立ちを聞くが、今ひとつ理解できない。そんな折、外から誰かの叫び声が聞こえ、様子見役を買って出た恭也は一人外へ飛び出していく。
この時、叫び声をあげていたのは、屍人に襲われていた美耶子である。

人物 宮田司郎 日時 初日/7:22:49
場所 大字粗戸/バス停留所付近
解説 現在のものではない建物が立ち並ぶ光景に困惑する宮田。そこに美奈と瓜二つの双子の妹・理沙が助けを求めてすがり付いてくる。宮田は、美奈の所在を必死に尋ねる理沙とともに、病院へ向かうことを提案する。
宮田と理沙は初対面であるが、理沙は美奈から宮田の話を聞いていた。おそらくその際写真も見せられていたのであろう。
助けを求めた理沙であったが、この時から彼女の人生の歯車が狂っていくことになる。

人物 八尾比沙子 日時 初日/7:38:22
場所 刈割/不入谷教会
解説 恭也の帰りを待つ比沙子。信者帳に書かれた文字を眺め、朧気ながら自分が何者か思い出そうとしているところへ、娘の知子を案じて取り乱す前田夫妻が訪ねてくる。
最初に聞こえる犬の鳴き声は、屍人に殺されたケルブの断末魔である。

人物 神代美耶子 日時 初日/7:38:41
場所 刈割/切通
解説 屍人から逃がすため自らが囮となった愛犬・ケルブの死骸に、泣きながら寄り添う美耶子。それを見つけた恭也は、美耶子を心配してその場から離そうとするが、恭也の言い方に怒った美耶子は、泣きながら恭也の胸を殴りつける。

人物 須田恭也 日時 初日/8:10:24
場所 刈割/切通
解説 美耶子の目が不自由であることに気づき、戸惑いを覚える恭也。そんな二人の前に、美耶子の義理の兄・神代淳が突然現れる。美耶子は、連れ去ろうとする淳の隙を付いて棒で殴りつけると、恭也に自分を連れて逃げるよう懇願する。

人物 志村晃 日時 初日/8:19:59
場所 合石岳/三隅林道
解説 朝靄が立ち込めている山の中、不穏な空気を感じる志村晃。薄々ながら事態を察知しているが、現状を知るため猟銃を手にして下山する。

人物 恩田理沙 日時 初日/10:38:58
場所 宮田医院/第一病棟診察室
解説 無事病院にたどり着いた宮田と理沙であったが、そこは27年前の災害で消えたはずの廃病棟であった。動揺する宮田を脇に、理沙は窓の外に現れる美奈の姿に驚く。宮田はさらに動揺しながらも理沙の視線を追うが、そこには既に美奈の姿はなかった。

人物 美浜奈保子 日時 初日/11:02:48
場所 合石岳/蛇頭峠
解説 山道に一人残され、途方に暮れて悪態をつく美浜。そんな彼女の元に、猟銃を持った志村が現れる。ようやく会えた人間にすがろうとするが、志村は意味不明の言葉を残して去っていってしまう。再び一人になった美浜は「だから田舎は嫌なのよ」とさらなる悪態をつく。
ここで美浜は志村の言葉により「永遠に生きる女」の存在を知る。

人物 牧野慶 日時 初日/11:59:33
場所 蛇ノ塚/県道333号線
解説 屍人に襲われていた前田知子を保護した牧野は、彼女を連れて逃げ回っていた。なんとか安全な場所にたどり着いた二人であったが、村があるはずの場所に赤い海が広がっている光景に愕然とする。そして海の彼方に向かって進む人影の群れ(石田・美奈・名越の姿あり)と、鳴り響くサイレンのような音に絶望を覚える。
なんとか屍人の目をかいくぐって進む牧野と知子であったが、知子は屍人に襲われ牧野と離れ離れになってしまう。最初こそ知子を助けようとする牧野であったが、すぐに諦めてそこから逃げ出してしまう。

人物 竹内多聞 日時 初日/12:27:08
場所 蛭ノ塚/水蛭子神社湧水
解説 サイレンが鳴り響く中、不快な表情で耳を澄ます竹内。激しい頭痛と喉の渇きを訴え、赤い水を飲もうとする依子を叱責し、状況を打開するために依子を置いて単独行動を開始するのであった。

人物 志村晃 日時 初日/16:53:37
場所 大字波羅宿/火の見櫓
解説 火の見櫓の上で、写真に写る息子・晃一に「お前が呼んだのか」と語り掛ける志村。今自分がいるところが27年前に消えたはずの村であることをはっきりと理解し、村の歪みから逃げられなかったことを知る。
持っていた写真を落とすと、その先に屍人から逃げ惑っている依子を目撃し、ゆっくりと銃口を向け救助する。

人物 安野依子 日時 初日/17:54:25
場所 蛇ノ塚/県道333号線
解説 依子と志村は海岸を見下ろし、海還りを行う屍人の群れ(石田・美奈・名越の姿あり)を目撃する。その光景に絶望した志村は、銃口を咥え自らの頭を撃ち抜き自害する。依子はそれを見て驚愕するのであった。

人物 前田知子 日時 初日/17:54:51
場所 蛭ノ塚/水蛭子神社
解説 暗い社の中で、膝を抱えうずくまっている知子。遠くで響く銃声に身を固くし、恐怖に歪んだ表情で嗚咽をこらえ、うち震える。その場に留まることに耐えられなくなった知子は、決死の覚悟で逃げ出すのだった。

人物 須田恭也 日時 初日/18:03:03
場所 田堀/廃屋中の間
解説 疲れきった恭也と美耶子は、逃げ込んだ廃屋に身を隠す。謎だらけの美耶子の言動を怪訝に思いながらも、激しい疲労から深い眠りに落ちる恭也。
すると先に眠っていたはずの美耶子が、自分を探している姉・亜矢子の気配を感じ取り、その目を開ける。しかし疲れからか、さらに眠り続けるのであった。

人物 宮田司郎 日時 初日/19:14:31
場所 宮田医院/第一病棟診察室
解説 突然現れた牧野の姿に軽く驚いたような表情を見せる宮田と、ぎこちない口調で話しかける牧野。理沙はそんな二人を見比べ、宮田と牧野が自分と同じ双子であることを知る。

人物 美浜奈保子 日時 初日/19:27:21
場所 合石岳/蛇頭峠
解説 暗闇の山中を一人歩く美浜は、何度も同じ場所に出ていることにヒステリックな叫び声を上げる。そんな彼女の目の前に古びた鉄門が現れる。ようやく違う光景を見ることができた美浜は、恐る恐るその先に向かう。

人物 竹内多聞 日時 初日/20:41:18
場所 蛭ノ塚/水蛭子神社湧水
解説 置き去りにしていた依子の元へ帰った竹内。物欲し気に水を覗き込んでいた依子を再び叱責する。「ここでじっとしていただろうな」という竹内の問いに、依子は単独行動していたことを黙っている。それどころか「ずっと言うとおりにしてるんですけど〜」と自分の行動に対しシラを切る。
屍人たちを支配している頭脳屍人の存在を察知すると、それを倒すため行動を再開する。

人物 前田知子 日時 初日/21:27:13
場所 蛇ノ塚/県道333号線
解説 なんとか屍人の手から逃げることに成功した知子は、自害して倒れた志村の遺体を見て驚き逃げるが、つまずき倒れて泣き伏してしまう。そんな知子の前に、慈愛の笑みを浮かべた八尾比沙子が現れ、両親の無事を告げる。
この時点でもまだ比沙子は優しさに溢れた"求導女"としての人格をなんとか保っている。しかし、じきに儀式を執り行う"八尾比丘尼"としての本性を現していくこととなる。

人物 美浜奈保子 日時 初日/22:11:08
場所 羽生蛇村小学校折部分校/体育館
解説 山道をさまよった美浜はなんとか学校の体育館にたどり着く。不安げな表情で体育館内部を伺う美浜の背後で、何者か(屍人?)によってドアは外から施錠されてしまう。泣きながらも現状に怒りを覚える美浜は閉められたドアに蹴りを入れ、仕方なく学校の探索を開始する。
学校の図書室で民話集を手に入れた美浜は、そこに書かれていることと志村から聞いた話から、「赤い水」と「永遠に生きる女」との関連性を見出す。

人物 恩田理沙 日時 初日/22:52:57
場所 宮田医院/第二病棟一階廊下
解説 どこかから呼ぶ意識に惹かれ、暗い院内を探索する理沙。自分を呼ぶ姉の声に恐る恐るライトを向けるが、照らし出されたのは頭脳屍人化して変わり果てた美奈の姿であった。
恐怖から叫び声を上げる理沙は、宮田たちに助けを求めるため逃げ走る。

人物 宮田司郎 日時 初日/23:03:48
場所 宮田医院/第一病棟一階廊下
解説 非常ベルの音に異常を察知し、美奈に襲われる理沙のもとに先にたどり着いたのは牧野であった。牧野はバールのようなものを手に美奈を攻撃しようとするが、迫る美奈に何も行動することができない。そこへ宮田が割って入り、硫酸の入ったビンを投げつけて美奈を撃退すると、すがりつく理沙を牧野に託し、宮田は逃げた美奈の後を追う。

人物 高遠玲子 日時 初日/23:45:18
場所 刈割/廃倉庫
解説 廃倉庫に隠れる高遠と春海。春海は美耶子と友達になったことを高遠に話す。それを聞いた高遠は、自分が春海の母代わりになると言い、救うことのできなかった自分の娘・めぐみのことを想いながら春海を抱き寄せる。そんな時、遠くから人間ではない者の声が響き、二人の間に緊張が走る。
春海をリヤカーに隠して逃がそうとしたが、屍人に気づかれ、それを助けようと高遠はガソリンに引火して爆死する。
なお、このシナリオの終了条件2で、灯篭を灯すことにより木る伝の封印を解除することは、ラストのシナリオをクリアするのに最も重要な行動である。

人物 神代亜矢子 日時 初日/23:59:44
場所 田堀/廃屋離れ
解説 廃屋の離れで対峙する神代姉妹。自分の身に降りかかった異変に巻き込まれた怒りを美耶子にぶつける亜矢子。それに対し蔑みの言葉を浴びせる美耶子。
婚約者である亜矢子をよそに、淳は美耶子に執心しているため、そして神代家が特別扱いしているのは自分ではなく美耶子であるため、亜矢子は美耶子に激しい嫉妬心を抱いている。
また亜矢子には神代家の呪いが掛けられており、いずれは彼女に不完全な不死が待っているのだが、儀式の内容をはじめ、神代家の禁忌の詳細について亜矢子は何も知らされていない。そのため美耶子の言っていることのほとんどが亜矢子にとっては意味不明であった。

<第2日>
人物 志村晃 日時 第2日/0:11:26
場所 蛇ノ塚/県道333号線
解説 サイレンの音が鳴り響く中、猟銃で頭を撃ち抜いたはずの志村は、半屍人として甦る。悪夢のような事実から逃れられないことを知り、志村は自嘲気味に笑い出す。

人物 恩田美奈 日時 第2日/0:17:28
場所 宮田医院/第一病棟診察室
解説 美奈を追っていった宮田を診察室で待つ理沙と牧野。外を眺める理沙の背後で、牧野が美奈に襲われる。なす術のない理沙に美奈は近づき、何かを伝えようと頬を寄せる。その瞬間、二人の意識は同調し、美奈の意識が理沙の中に入ってくる。
遠い過去、姉妹いっしょで楽しく遊んだ記憶…
そして美奈の首を絞めようとする宮田の姿…
そんな美奈の意識の中から、宮田への変わらぬ愛情と、「己の半身である理沙と同じ状態になりたい、一つになりたい」という姉の純粋な気持ちを感じ、理沙は涙を流す。

人物 神代美耶子 日時 第2日/0:23:36
場所 田堀/廃屋中の間
解説 おぼつかない足取りで、恭也の元へ戻る美耶子。恭也は横たわりながらサイレンの音に反応し、もだえ苦しむ。
美耶子は、そんな恭也の苦しみから解き放つために、自分と恭也の手のひらを切り裂き重ね、血を交わらせる。やがて恭也の顔からは苦しみが消え、落ち着きを取り戻し始める。
神代家の血を取り入れた恭也は、屍人になることはなくなり、宇理炎も際限なく使えるようになる。が、それと同時に永遠に死ぬことない呪いを受けることになる。

人物 宮田司郎 日時 第2日/0:49:33
場所 宮田医院/第一病棟診察室
解説 美奈を追って診察室にたどり着いた宮田。そこへ美奈の意識と同調したナース服姿の理沙が現れる。"美奈として"迫ってくる理沙を見て、宮田は衝動的な思いで理沙の首を絞める。やがて理沙の目から血の涙が流れ、彼女は屍人化し、笑い出す。宮田はその笑い声に名状しがたい嫌悪感を抱いていた。
終了条件2では、宮田は理沙を撃退した後、先代・美耶子に呼ばれ隠し地下に向かう。そこで拘束されているミイラ化した先代・美耶子から2体の宇理炎を手渡される。

人物 須田恭也 日時 第2日/1:11:11
場所 田堀/廃屋中の間
解説 廃屋の中で眠りについていた恭也と美耶子。そこへ突如響いて不審な物音に二人は驚き目を覚ます。家屋内に侵入してくる気配に二人の緊張は高まる。

人物 美浜奈保子 日時 第2日/3:33:33
場所 蛭ノ塚/水蛭子神社湧水
解説 歩き、渇き、疲れ果て、いつの間にか赤い水を湛えた泉へとたどり着いた美浜。志村の言葉と民話集から「赤い水」と「永遠の命」の関連性に気づいた美浜は、「この泉に浸かれば永遠の若さが得られるのでは…」と思い、泉に身を沈めていく。そしてその結果、美浜は屍人化し、永遠の若さを得ることになる。

人物 牧野慶 日時 第2日/4:44:39
場所 宮田医院/地下実験室
解説 意識を取り戻し、朦朧としつつ地下室へたどり着いた牧野は、宮田の手で行われた壮絶な光景に戦慄する。屍人の秘密を得るために行った宮田の残虐な行為を牧野は詰り、その場を後にする。

人物 前田知子 日時 第2日/6:06:01
場所 刈割/棚田
解説 知子は、比沙子に言われて入った廃屋で屍人に襲われ、気がつくとまた一人になってさまよっていた。周囲には奇妙な発光体が漂い、天上には美しい光の柱とオーロラが輝いている。その時、半屍人と化した美浜が現れたが、知子に襲い掛からずどこかへ走り去っていく。そんな美浜をよそに、知子は両親に会いたい一心で教会を目指す。
自覚があるのかは判らないが、知子はすでに半屍人となっており、そのため屍人たちは知子を見つけても襲い掛かってこない。そのためここでは屍人を間近でゆっくり観察できる。美浜の顔は一見の価値アリ。

人物 前田知子 日時 第2日/6:32:56
場所 刈割/不入谷教会
解説 なんとか教会にたどり着いた知子は、教会の中でうたた寝をしている両親の姿を見つける。ようやく会えた両親に自分の存在を伝えようと窓を叩き、入り口を開けてくれと叫び続ける知子。しかし、呼びかけに気づいた両親の目に飛び込んできたのは、目から血の涙を流し屍人と化している知子の姿であった。母親は絶叫し泣き崩れ、父親は怯え、思わず持っていた武器を振り上げ威嚇する。
両親が自分を受け入れてくれないと感じた知子は、何かを悟りあきらめた様子で来た道を引き返していった。
問題のCMにも使われたシナリオ。この後、前田夫妻は娘への想いと自分たちの行為に対して慙愧の念を抱き、教会から外に出る。しかし、それが仇となり、前田夫妻は屍人に襲われ、娘と同じ末路をたどる。

人物 八尾比沙子 日時 第2日/6:44:51
場所 大字波羅宿/耶辺集落
解説 雨の降る海岸線で、見えない誰かに話しかけるように呟く比沙子。その元へ、御神体である堕辰子の首が流れ着き、それを比沙子が拾い上げると突如雨が止み、海上に神々しい光の柱が延びてゆく。光のもとには箱のようなものを持ったもう一人の比沙子が立っている。白い髪をしたもう一人の比沙子は、何かを伝えるかのように微笑みかけていた。比沙子はこの時から、自分が何者なのかを完全に思い出し、自らに課せられた役目を果たすために行動する。
ここで出てくる白髪の比沙子は、第3日23:00で堕辰子の首とともに奈落に落ちていった比沙子。白髪化した比沙子は、祭壇とともに御神体が求められるすべての時代へ首を届ける存在となっている。つまり比沙子自身が永遠に村の呪いを作り出していく"虚母ろ主の輪"になっているのである。

人物 牧野慶 日時 第2日/6:44:51
場所 大字粗戸/眞魚川岸辺
解説 あるはずのない海の方角に、禍々しい巨大な光の柱が空に向かって延び、光が増すのに対して、空には暗雲が立ち込めていく。
牧野は「自分は秘祭の祭儀を、義父と同じように失敗してしまったのか、それともまだやり直せる可能性が残されているのか」という不安を抱いていた。しかし、その光を見て牧野は 、理尾や丹による天罰が下されたこと、つまり儀式が失敗したことを知り、深く絶望するのであった。

人物 須田恭也 日時 第2日/7:03:41
場所 蛇ノ首谷/折臥ノ森
解説 夜が明け、霧の合間から村の全景を眺める恭也と美耶子。空と海面をつなぐ様に光の柱が延びている異様な光景に戦慄する。 それを見て美耶子は、自分が壊したはずの御神体=堕辰子の首が戻ってきたことを知り、愕然とする。首が戻ってくれば儀式は再開され、自分は異形の花嫁にされてしまう。その不安から、美耶子は恭也をせかしはじめる。

人物 須田恭也 日時 第2日/9:57:58
場所 蛇ノ首谷/吊り橋
解説 現世でもあの世でもない、異様な世界に取り込まれた事実に絶望し、すべてを諦めかけている美耶子。恭也はそんな美耶子を励まし、一緒に村に逃げ出すことを約束する。これまで一度も笑みを浮かべることも、恭也の名を呼ぶこともなかった美耶子は、そこで初めて恭也に微笑みかけ、名前を呼んだ。
しかしその時、背後から猟銃を構えた淳が現れ、凶弾を放つ。それを胸に受けた恭也は深い谷底へ落ちていき、目には見えないがそんな状況を感じ取った美耶子は我を忘れて絶叫する。
「昨日のお返しだよ」と撃たれた恭也ですが、淳を殴ったのは美耶子です、という突っ込みは誰しも思うところです。

人物 八尾比沙子 日時 第2日/10:07:23
場所 蛇ノ首谷/吊り橋
解説 落下した恭也の意識を追おうとする美耶子をその場から引き剥がし、連れ去ろうとする淳。そこへ、いつの間にか近づいていた比沙子が、今までの慈愛にあふれたものとは違う微笑を投げかける。その様子に、美耶子だけでなく淳までも怯えた表情を見せる。
この後、美耶子は比沙子に昏睡状態にさせられる。一方、淳は様変わりした比沙子に気圧され、言われるがままに儀式の準備を始める。

人物 竹内多聞 日時 第2日/10:29:56
場所 蛇ノ首谷/戻り橋
解説 橋の欄干に刻まれた字を見て、竹内は依子に、自分が羽生田村の出身であることを語る。とんだ里帰りに巻き込まれたにもかかわらず、相変わらず明るく振舞う依子に対し、笑顔を見せる竹内。
しかし、そんな安息の時間も束の間に終わり、遠くから放たれた銃弾が依子の心臓に命中してしまう。
次第に意識が朦朧としていき、自分が化け物となってしまうことを予感している依子を置いて、竹内は依子を撃った狙撃手を倒しに向かう。そして何とか倒した狙撃手の正体が、かつて親交の深かった志村晃であることに気付くのであった。
竹内の姿を認めた時の志村の言葉が「竹内かぁ…」なのか「竹内くん…」なのかは不明。そして二人がこの後、何の話をしたのかも不明。

人物 安野依子 日時 第2日/11:12:08
場所 蛇ノ首谷/眞魚川岸辺
解説 心臓を撃たれながらも、なお歩こうとする依子。しかし、遂に力尽きて倒れこんでしまう。また、淳に撃たれ歩く力を失った恭也も同じ場所に倒れこむ。
そこへ偶然なのか、宮田が通りかかり、倒れた二人を救出する(ついでに依子のメガネも拾う)。

人物 四方田春海 日時 第2日/15:19:59
場所 田堀/廃屋内居間
解説 高遠と別れてから、廃屋に身を潜め、押入れで眠っていた春海は、楽しげな複数の声で目を覚ます。恐る恐る押入れの隙間から伺うと、半屍人化した前田一家の姿がその目に飛び込んでくる。叫びそうになるのを両手で口を覆い隠し、春海は気配を殺す。
前田一家の隙をついて、なんとか廃屋を脱出した春海は、門のところで半屍人化した高遠と最悪の再開を果たしてしまう。高遠からもなんとか逃げ出すことに成功した春海は、突きつけられた厳しい現実に耐えながら、一人で逃亡を続ける。
シナリオの衝撃度と小ネタの多さから大人気の春海廃屋です。

人物 神代美耶子 日時 第2日/15:33:08
場所 眞魚岩(夢)
解説 比沙子に眠らされた美耶子は夢を見ていた。
自分が仰向けに寝た状態で、その周りに数人の人影が見え、彼らはまるで美耶子の体を貪るような仕草をしている。その時、周囲に奇怪な音が鳴り響き、人影の一人が驚き、こちら側を見つめる。
これは、684年に比沙子たち村人にその肉を食べられた堕辰子の視界を、美耶子が夢の中で幻視した光景であり、最後にこちら側を見つめた人物は、不死の呪いを受ける前の八尾比沙子である。
比沙子の血=堕辰子の血をもっとも色濃く受け継ぐ神代家の子孫である美耶子であるからこそ、このような夢を見たのであろう。

人物 宮田司郎 日時 第2日/16:03:07
場所 宮田医院/第一病棟診察室
解説 診察室のベッドに寝かされている恭也と依子。意識を取り戻した依子の傍らで、宮田は自分がなぜ二人を助けたのか自分の行動に戸惑いを覚えながらも、なんとなく流れに逆らってみた自分が、まるで生まれ変わった人間であるように感じている。
一方、体を起こす依子であったが、記憶が混乱していて、自分の置かれている状況を理解できずにいた。
すると恭也が目覚める声がし、それに気づいた宮田は二人にわずかな期待を抱きながら診察室を去っていく。そんな宮田の言動がまったく理解できない依子は、「はあ? あの人、酔ってんの?」と、不信をそのまま口にする。
この時、依子の腕から輸血されていたのは、恭也の血であると同時に美耶子の血である。これによって依子は、屍人になることがない、不死の体となっている。

人物 竹内多聞 日時 第2日/18:37:11
場所 宮田医院/第二病棟一階裏口
解説 依子の痕跡を追う竹内は、27年前に消えたはずの廃病院へとたどり着く。
終了条件1では、隠し地下室で壊れた依子のメガネを見つけ、彼女はもう生きていないのではないか、と不安を抱く。なお、美奈が依子のメガネを愛でていたのは、おそらく宮田の匂いがついていたためと思われる。
終了条件2では、古びたアルバムから求導女・八尾比沙子の写真を見つけ、いつまでも変わらない姿でいる比沙子がすべての元凶であるという考えに至る。
また、隠し地下に幽閉されていた先代・美耶子は、この時にはもう隠し地下にはいなくなっている。おそらく宮田が解放したのだろうが、彼女があれからどこへ行ったのかは不明(志村晃一のいる霊安室か?)。

人物 八尾比沙子 日時 第2日/19:02:37
場所 屍人ノ巣/水鏡
解説 まるでもう死んでいるかのように、祭壇の上に横たわり眠る美耶子に、比沙子は祝福の言葉をかけながら、美耶子の傍らに白い百合の花を添えていく。
美耶子という完全な実の誕生によって、長らく待ち望んでいた日が到来したことを比沙子は誰にともなく告げるのであった。

人物 須田恭也 日時 第2日/20:31:33
場所 大字粗戸/眞魚川岸辺
解説 村を飲み込むように肥大化した屍人ノ巣に圧倒される恭也と依子。激しい雷雨の中、恭也は美耶子が呼んでいる声を感じ、巣の中への進入を試みる。
ちなみに、依子も竹内に呼ばれているような気がする、と言っているが、竹内はまだ巣にたどり着いていないので、それは依子の気のせい(愛とも言う)である。
終了条件2では、春海が巣に進入するための入り口を作るが、この際に依子が鉄格子を壊した方法は『王家の紋章』というコミックに載っているらしい。
なお、このシナリオ以降、恭也の表情が険しくなっており、そこから美耶子を助けようという強い意志が伺える。

<第3日>
人物 八尾比沙子 日時 第3日/0:00:08
場所 屍人ノ巣/水鏡
解説 遂に儀式が開始される。
水鏡の上で静かに目を閉じる美耶子に、比沙子はレクイエムを捧げる。そして「楽園の門が開かれる」という比沙子の声に応じるように、水鏡から噴出した炎が美耶子を包んでいき、そこから堕辰子が復活する。その光景を見て、すでに儀式の場所にたどり着いていた牧野は、自分たちが今まで行ってきたことの恐ろしさを知る。
堕辰子の復活を目にして、儀式が成功したと思い込んだ比沙子は、次代の花嫁を生むはずであった亜矢子に対して炎の刃を向け、その肉体を焼いてしまう。なぜ亜矢子も焼いてしまったのか分からない淳は、比沙子に問いただすが、彼女は「もう、これで実は揃ったの。次の実はもう要らない」と冷たく言い放つ。
儀式が成功し、「罪は洗い流された」とかのように思えたのもつかの間、堕辰子は比沙子の意に反して暴走し始め、淳に襲いかかる。
儀式の失敗に落胆する比沙子、驚愕する牧野、来るのが遅すぎた竹内、そして恭也と依子がその場に揃う。堕辰子はそこに居合わせた人々に次々と襲い掛かる。
美耶子が完全な実であったならば(おそらく)堕辰子が暴走することはなかったのであろうが、第2日の0:00にて、美耶子は自分の血を恭也に分けているため、その実は不完全なものとなり、堕辰子の復活は不完全なものとなったのである。
なお、恭也と竹内と牧野は、堕辰子に襲われた後、比沙子によって監禁される。一方、依子は一人で逃れ、竹内を探して屍人ノ巣の中を探しさまよう。

人物 四方田春海 日時 第3日/0:14:26
場所 屍人ノ巣/第一層付近
解説 サイレンの音に耳をふさぎ、とぼとぼと巣の中を歩く春海の前に、片隅で蹲り、嗚咽を漏らす人影が現れる。警戒を解いて近寄る春海だったが、突如振り返ったその人影の表情はすでに人間のものではなく、恐怖に駆られて逃げ出す春海をよそに、屍人はけたたましく笑っていた(この冒頭の屍人が誰なのかは不明)。
小さい体を利用して巣の隙間を潜り抜けていく春海は、終了条件2で、後に宮田と牧野が対峙する中央交差点にたどり着く。

人物 須田恭也 日時 第3日/2:13:17
場所
解説 抜けるような青空と、見渡す限りの瑞々しい草原に、赤いポストが一つ置かれている。恭也と美耶子は、そこで寄り添いながら楽しそうに話をするが、互いの視線が交わることはなかった。
すると美耶子は、村もバケモノたちも消し去り、すべてを終わらせることを恭也に懇願する。
突然の言葉に、恭也は美耶子がいる方向に視線を向けるが、そこにはすでに美耶子の姿はなかった。
恭也は、この時の美耶子の懇願を受け入れて、すべてを終わらせるために、そして再び美耶子に会うために行動する。
ちなみに恭也と美耶子が寄りかかっていたポストは、竹内の第3日3:00の冒頭にあるものと同じものである。

人物 竹内多聞 日時 第3日/3:03:27
場所 屍人ノ巣/第四層付近
解説 比沙子に軟禁されていた巣の深層部で目覚めた恭也と竹内。そのそばには牧野もおり、恐怖のためかうなされていた。
浸かっていた赤い水溜りから出た竹内は、比沙子こそ今回の元凶であることを語る。一方、恭也は牧野を水溜りから引きずり出すが、自我を失っている牧野はその場にへたり込んでしまう。
竹内はわずかな希望にかけて、軟禁されていた場所から脱出すると、放棄してしまった牧野はその場に置いて、恭也だけを伴って行動を再開する。
手分けして巣の中枢へ向かった二人であったが、そこへ行くために通らなければならない工場には、大勢の犬屍人と猟銃屍人によって厳重な警戒がなされていた。終了条件2では、竹内が配電盤を壊して電気を落とすことによって真っ暗になった工場を、恭也は美耶子の力を借りて突破する。
冒頭のシーンで、恭也たち三人は赤い水の水溜りに浸かっているが、実はこの赤い水を通して恭也の血(=神代の血)が微量だが竹内と牧野の体にも入り込んでいる。そのため竹内と牧野も、恭也や依子同様、永遠に死ねない体となってしまっている。しかし、取り込んだ神代の血は微量であるため、竹内は後に屍人化の兆候に苦しむこととなる。
なお、第3日18:00の濁流に巻き込まれた後にこのシナリオへ続いている、と勘違いしてしまう人もいるが、時間的にそれはおかしいので注意。

人物 牧野慶 日時 第3日/7:42:44
場所 屍人ノ巣/中央交差点
解説 中央交差点で疲れて眠り込んでいた春海は、何者かが近づく気配がして急いで隠れる。そこに現れたのは牧野で、彼は突然ライトで顔を照らされる。光を手で遮りながらライトの方向を見ると、そこには宮田の姿があった。
二人はお互いの心にあった、虚しさや嫉妬という愛憎入り混じった複雑な感情を、はじめて兄弟として告白しあう。そして、宮田は「自分のやるべきことはすべて終わり」と言い、自らの頭に銃口を向ける。宮田ははじめて牧野のことを「兄さん」と呼び、そして辺りに銃声が鳴り響いた…。
普通に見れば、宮田が自殺したかのように見えるが、広く知られているように、宮田は自分に向けていた銃口を牧野に向けて発砲している。そうして宮田は「人殺しの宮田司郎」という自分を消し、行動力のある真の求導師として行動し始めることになる。
一方、牧野は第3日3:00に入り込んでいた神代の血の力によって死にはしなかったが、不完全な不死という呪いによって、形の成さない肉塊として甦ることなる(詳しくは『異聞』第5話)。

人物 須田恭也 日時 第3日/9:48:21
場所 屍人ノ巣/第二層付近
解説 巣の中で座り込み、どこかに消えてしまった美耶子を心配する恭也。頭を抱えて途方に暮れていると、恭也の前に牧野が現れる。
さっきまでとはまったく雰囲気の異なる牧野を訝しがる恭也に、牧野は宇理炎を手渡して「消し去れ。すべて。跡形も無く」と言い放つ。まったく意味が分からない恭也をよそに、牧野は自分の役割を果たすためにその場を立ち去った。
念のため言うと、これ以降の牧野は宮田です。

人物 牧野慶 日時 第3日/12:21:08
場所 大字粗戸/耶辺集落
解説 サイレンの鳴り響く中、どこか強い意志を感じさせる表情で歩く牧野は、銃を握り締めて、廃村へ降りていく。
終了条件2では、井戸の中に隠された爆薬を手に入れ、これを利用して水門を破壊する。
ちなみに、このシナリオにいる羽根屍人は海還りを終えた志村晃である。

人物 牧野慶 日時 第3日/16:00:58
場所 合石岳/羽生蛇鉱山
解説 日が落ち始め、焦りの色を見せる牧野は、急いで水門へと向かう。
堕辰子は日の光に弱いことを牧野は知っており、日が落ちては自分がこれから行おうとしていることがすべて無駄になる。だから牧野は焦っているのである。
このシナリオには頭脳屍人化した恩田姉妹がおり、二人に対する牧野の行動は本当に容赦が無い。

人物 牧野慶 日時 第3日/18:05:28
場所 合石岳/眞魚川水門
解説 井戸に隠されていた爆薬で水門を破壊した牧野は、勢いよく流れて出ていく赤い水を見つめる。そして水が引いた貯水池の底をふと見ると、27年前に起きた異変から屍人になることを拒むため、水底でもがき苦しみながら生き続けていた人間の群れが蠢いていた。
そんな人々を見て牧野は、その決して解放されることのない深い悲しみと、終わることのない苦痛に共感を示す。そして、その人たちを永遠の悲しみと苦しみから解放し、みずからの手で決着をつけることを牧野は決意する。
ここで流れていった赤い水の濁流が、後の須田と竹内のシナリオで屍人ノ巣に流れ込んでくる濁流である。

人物 安野依子 日時 第3日/18:08:57
場所 屍人ノ巣/第一層付近
解説 サイレンが響き渡る中、とぼとぼとあてもなくさ迷う依子。メガネを失くしてしまった彼女は、視界の悪い中、竹内を探し出すためゆっくりと歩き続ける。
そんな折、遠くでがっくりとうなだれ、うずくまっている竹内の姿を見つけた依子は、安堵と喜びの笑顔を浮かべながら近づこうとする。しかし、竹内はそんな彼女を見てどこか怯えたような表情を示すだけであった。
そんなことは露知らず、手を振りながら竹内に駆け寄る依子だったが、崩壊寸前の巣の中を走ったためか、床下が崩れ転落してしまう。
依子の視点から見ると、竹内の顔色が屍人のように真っ青になっています。これが竹内視点からではまったくの逆になっています。

人物 須田恭也 日時 第3日/18:08:59
場所 屍人ノ巣/第二層付近
解説 サイレンの響き渡る中、屍人ノ巣の中で恭也は比沙子と対峙する。口調は最初に出会った時と同じく優しいものの、妖しい微笑を浮かべながら近寄ってくる比沙子の迫力に気圧される恭也。
比沙子は恭也の手に握られている宇理炎に気づくと、今まで浮かべていた微笑みを厳しい表情に一変させ、宇理炎を渡すように手を伸ばす。
だがその瞬間、突然押し寄せてきた赤い濁流が二人を飲み込み、すべてを押し流していくのであった。

人物 竹内多聞 日時 第3日/18:09:06
場所 屍人ノ巣/第一層付近
解説 屍人ノ巣の中でうなだれる竹内。聞き覚えのある声がし、その方向を見た竹内だったが、そこには人のそれではないような笑顔を浮かべ、手を振りながら駆け寄ってくる依子の姿があった。竹内はすでに依子が屍人化してしまったと思い込み、絶望と恐怖の色を隠すことができない。
そこへ追い討ちをかけるように堕辰子が現れ、絶体絶命の状況に襲われる。
しかしその時、赤い水の濁流が竹内たちを襲い、巣を崩壊させながら、すべてを流し去っていく。
濁流が過ぎ去り、起き上がった堕辰子であったが、崩壊した巣に陽光が射し込み、堕辰子の体は日に焼かれて燃え上がっていく。そんな状況から逃れるため、堕辰子は水鏡の中に逃げ込んでいくのだった。
竹内の視点からは依子が屍人のように見えるのは、竹内が屍人化の兆候に苦しんでいるため。屍人から見ると普通の人間はバケモノに見えるようです(屍人の視界をジャックした時に、登場人物たちが普通に見えるのは、おそらく容量の問題だと思われる)。
堕辰子を焼いた光は、上でも書いたように陽の光。決して竹内のヅラが外れて、その眩しさゆえに苦しんだわけではない。

人物 牧野慶 日時 第3日/18:39:58
場所 合石岳/眞魚川水門
解説 決着をつけることを決意した牧野は、貯水池の底に移動し、みずからの命を糧に宇理炎の炎を呼び出すことに成功する。牧野の腕が燃え上がると同時に、地面に大穴が開き、そこから現れた煉獄の炎は、苦痛に蠢き、死ぬことすら叶わなかった人々を次々と焼き尽くし、死の世界へと導いていく。
人々を救い、真の求導師となったものの、宇理炎を使用した反動で生命力を使い果たしてしまった牧野は、薄れていく意識のなか、炎の先で微笑み、手を振って呼びかける美奈と理沙の姿を捉える。その二人の声に反応した牧野――宮田は、最後の力を振り絞り、二人の待つ煉獄の炎にその身を投じるのであった。
恩田姉妹は牧野が合石岳で身動きできないようにしたことから考えると、牧野が見た恩田姉妹の姿は牧野の幻覚と考えるのが自然であろう。もしくは二人の魂があそこに浮かび上がったと考えることも可能。
なお、ムービーの最後、牧野が炎に身を投じる場面の左隅に、煉獄の炎から逃れるように動く二人の村人の姿が確認できるが、これは後のシナリオで登場する竹内の両親である。

人物 須田恭也 日時 第3日/20:57:55
場所 屍人ノ巣/水鏡
解説 水鏡の水面を覗き込むと、自分の姿と、その背後には消えてしまったと思っていた美耶子の姿が寄り添うように映りこんでいた。
ようやく会えた美耶子に笑顔で語りかける恭也に、美耶子は「あたしはずっと恭也の側にいるよ」と微笑み返す。
「こっちに来て」と美耶子に誘われ、彼女のもとに向かおうとする恭也だったが、その方法が分からない。美耶子はそんな恭也の手を取り、その手のひらを水鏡に当てる。すると、恭也は発光する水鏡の中へと沈んで行き、いんふぇるのへの扉を越えるのだった。
この水鏡の扉を抜けるためには、堕辰子の分身でなければならない。比沙子は大昔に堕辰子の肉を食べたことで、堕辰子の分身とも言える存在となっているので、水鏡を越えていんふぇるのに行くことができる。そして比沙子の直系の子孫である神代家の人間である美耶子も堕辰子の分身であり、その美耶子の血を体内に取り入れた恭也たちも堕辰子の分身となっている。であるから恭也も水鏡の扉を開けることができるのである。
また美耶子の姿が水鏡に映るということは、美耶子はすでに常世の存在となっていることを表している。

人物 竹内多聞 日時 第3日/22:13:33
場所 屍人ノ巣/第三層付近
解説 半壊した屍人ノ巣で、屍人化の兆候に苛まれながら、辛うじて自我を保つ竹内の耳に、微かに自分を呼ぶ声が聞こえる。竹内は朦朧とした足取りで声の聞こえた方角に歩き出す。
終了条件1では、宮田が燃やしたらしき白衣の燃えカスを見つけ、終了条件2では、竹内はかつて自分が住んでいた家にたどり着くことができる。
また、このシナリオでは美浜奈保子と高遠玲子の成れの果てを見ることができる(かなり悲惨……)。

人物 須田恭也 日時 第3日/23:03:18
場所 いんふぇるの
解説 美耶子の力を借りて水鏡の扉を越えた恭也は、傷ついた堕辰子を追い詰める。
傷ついた堕辰子の姿に悲しんでいた比沙子は、現れるはずのない恭也がいんふぇるのに現れたという事実に驚いたが、すぐに恭也が美耶子の「実」を盗み、儀式を失敗に陥れた張本人であることを察し、怒りを露にする。
そんな比沙子と対峙する恭也の表情には、「美耶子との約束を果たす」という強い決意が滲み出ていた。堕辰子を倒し、すべてを終わらせようと進み出る恭也だったが、そこに半屍人と化した神代淳が現れる(なぜここに淳がいるのか詳しい経緯は不明。また淳の笑い声とともに現れた3本の柱についても詳細は不明)。
宇理炎の力を使って、何とか淳を倒すと、そこには淳が持っていた刀――焔薙があった。すると空から4つの光が舞い降りてきて、その光は焔薙に宿り、刀は青白い炎をまとい始めた。この光は、初日23:00にて高遠が解放した木る伝である。木る伝は炎の剣である焔薙に宿り、堕辰子の首を切り落とすだけの力を生み出すのである。
一方、実が不完全だったことを悟った比沙子は、みずからの実を捧げることを誓い、堕辰子に、そして堕辰子よりも上位の存在に祈り始める。するとその祈りが通じたかのように、堕辰子の体に変化が現れ、それは神々しくも禍々しい姿となって復活する。
完全体となって復活した堕辰子は、恭也に襲い掛かる。しかし恭也は、美耶子の力を借りながら、宇理炎の炎で堕辰子の身を焼いて瀕死にし、すかさず焔薙で堕辰子の首を切断することに成功する。
堕辰子の視界をジャックすると、恭也のすぐ側で堕辰子の姿を映し出す眞魚岩の方向を一心に指し示す美耶子の姿を見ることができるが、その姿はどこか哀愁を漂わせる。
なお、牧野は宇理炎を使用したことで生命力を失ってしまったが、恭也は美耶子の血の力によって永遠の命を得ているため、無制限に宇理炎を使うことができる。

人物 八尾比沙子 日時 第3日/23:29:56
場所 いんふぇるの
解説 宇理炎の炎に焼かれ悶え苦しみながら、断末魔の悲鳴を上げて崩れ落ちる堕辰子。すると耳をつんざくばかりの絶叫をあげた比沙子の髪が、みるみるうちに白くなっていく。すべての力を失った比沙子は、地面に倒れこみ、そのまま動かなくなった。
宇理炎の炎に焼かれる堕辰子の首がまだついていることから、このシナリオは直前のシナリオの終了条件1と終了条件2の間のものと考えるべきであろう(つまりここだけ時系列的にシナリオが前後する)。

人物 四方田春海 日時 第3日/23:43:21
場所
解説 次第に崩壊をはじめるいんふぇるので、白髪となった比沙子は堕辰子の首を抱えながら、祭壇の上に倒れこむ。すると祭壇のあった場所が崩壊を始め、比沙子は祭壇とともに、奈落の底へ落ちていく。こうして、比沙子は時空を越えて堕辰子の首を送り届ける「虚母ろ主」となって、永遠に村の呪いを作り出す存在となる。
場所は変わって、春海は屍人ノ巣で名越に追い詰められ、絶体絶命の状態となっていた。しかし、高遠が屍人になってもなお、春海のことを守ろうと必死に名越に食らいつき、体を張って名越の体を崩れいく巣の中に引きずり込んでいく。
九死に一生を得た春海は、高遠のその姿に母親を感じたのか「お母さん」とつぶやき、安心と疲労のため、その場で意識を失ってしまう。そんな春海のもとに、ひとつの影が近づいていった。
この影の正体は美耶子に導かれた恭也。美耶子の意志によって、恭也は春海を次元の狭間から送り出し、こうして春海は今回の異変で唯一の生還者となる。

人物 竹内多聞 日時 第3日/23:56:36
場所 大字粗戸/竹内家
解説 失ったはずの懐かしい我が家にたどり着いた竹内。呆然としながらも団欒の中心だった座敷へと向かうと、そこには幼い頃の記憶とまったく同じ姿の両親が微笑み立っていた。竹内は両親にすがりつき、子供の頃に戻ったかのように泣きじゃくり、両親もそれに応え、優しく竹内を抱きしめてくれるのであった。
この時、竹内が再会した両親は牧野の第3日18:00で宇理炎の炎から逃れた二人であり、本来なら土人形のような姿であるはずだが、屍人化が進行し、意識が朦朧としている竹内には両親が普通の姿に見える。

<後日>
人物 須田恭也 日時 後日/0:13:33
場所 大字粗戸/耶辺集落
解説 何本もの銃を背負い、おびただしい数の弾薬を抱え、そして手には焔薙を携えるといういでだちの恭也。ヘッドホンから流れる大音量の音楽を聴きながら、何かを決意した表情で屍人が集まる村へと歩いていく。
恭也がたどり着いたそこには、今までの比ではないほどの数の屍人が、共同体を築いて生活していた。恭也の存在に気づいた屍人たちは、一斉に彼の方を奇妙な視線で振り返る。
恭也が手に持っていた宇理炎を頭上に掲げると、天から6つの炎が屍人の村に降り注ぎ、屍人たちと村を次々と焼き払っていく。
恭也はすべての屍人を全滅させるべく、日本刀を構え、屍人の村へと突進し、炎上している屍人に狙撃銃を乱射していく。
ここで恭也が行った屍人全滅という行為が、他の時空では「村人三十三人を惨殺していく」という光景に見え、猟奇的な事件として都市伝説化していったという説がある。そのような都市伝説をネットの掲示板で見て興味を持った恭也が、羽生田村を訪れ、異変に巻き込まれ、そして屍人たちを全滅させる……。そしてその行為が時空を越えて都市伝説と化していく……。
ここでも物語はループしているのである。

人物 須田恭也 日時 後日/4:44:39
場所
解説 狙撃銃を片手に持ち、くすぶる廃屋群の中を歩き続ける恭也。そこでふと立ち止まり、何かを見つけたように視線を上げるが、彼が何を見たのか定かではない。
一方、竹内は半屍人の姿の両親に抱かれ、涙を流していたが、そこへ障子を蹴破って依子が乱入してくる。依子はその手に握り締めていた金属バットで竹内の両親を思いっきり殴りつけると、何が起きたのか分からないという表情で戸惑う竹内の手を引っ張って、強引に外に連れ戻す。しかし竹内はそんな依子などお構いなしに、倒れこんだ両親を呆けたように呼び続けていた。
そしてただ一人、異界の外へと運び込まれた春海だけが、土砂に飲み込まれ崩れ落ちた現世の村を、泣きながらさまよい歩いていた。