サイレン事典 あ行

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ま行や行ら行わ行a・1一覧


アーカイブ
『SIREN』の物語や世界観などを理解するのに役立つ資料的アイテム。全部で100個ある。
現実に実際にある(あった)ものをモチーフにしたものや、実物と見紛うばかりのものがあったり、製作スタッフのこだわりと遊び心が読み取れる。

愛車(あいしゃ)
恭也の乗っていた折畳式マウンテンバイクのこと。
オカルトランドで恭也は自分のマウンテンバイクをこのように表現している。
関連須田恭也マウンテンバイクオカルトランド

赤い海(あかい・うみ)
羽生蛇村の周囲に突如現れ村を分断した、赤い水でできた海。
ここから聞こえてくるサイレンの音に誘われて、屍人たちは赤い海へと入っていく。
関連海送り海還り

赤い水(あかい・みず)
村のいたるところに存在する異界の象徴とも言えるもの。
これを体内に取り入れれば、傷や体力が回復したり、飢えを感じなくなるが、常世から二度と現世に戻ることができなくなるばかりか、一定量摂取すると人間の血が体外に排出されて屍人へと変容する。
正体は、水鏡からとめどなく流れ出る堕辰子の血。
関連屍人黄泉戸喫

赤ジャージ(あか・じゃーじ)
前田知子の着ていたもの。名札つき。前田知子の愛称でもある。
ところで夏に長袖長ズボンのジャージは暑苦しいと思います。変な意味ではありません。
関連前田知子

あかんぼう岩(あかんぼう・いわ)
20年ほど前(おそらく1982年)の遠景信用銀行のカレンダーに写り込んでいたいたモノ。オカルトランドの書き込みにもあった。
昼間の撮影にも関わらず、空が血に染まったように真っ赤で、岩盤にあかんぼうの顔が浮き上がっているように見える。
元ネタは北海道遠軽(えんがる)町の某信用金庫が配布していたカレンダーに写り込んでいたらしい「がんぼう岩」という都市伝説。
関連オカルトランド

明日のマリコ(あした・の・まりこ)
美浜奈保子が1994年に出演したテレビ番組。詳細は不明。
名前の元ネタは、『SIREN』の主要スタッフが開発したゲーム作品『夜明けのマリコ』。
関連美浜奈保子

東 エリ(あずま・えり)
1955年生まれ。1978年、『私の彼の左手に肉球』でデビュー。瞬く間にその年のヒットチャートを席巻しスターダムを駆け上ったが、同年大晦日に開催される歌謡祭の授賞式に向かう途中、トラックに撥ねられ死亡。夭折を惜しむ声は今なお多い。
東リコという妹がおり、リコもアイドル歌手として1980年代に活躍していた。
名前の元ネタは『SIREN』のサウンドディレクションと効果音を担当した我妻えり子。CDのジャケットを飾っている女性も彼女である。
関連『私の彼の左手に肉球』『おとりの私』『ランデブー』
我妻えり子

我妻 えり子(あづま・えりこ)
サウンドディレクションと効果音を担当した制作スタッフ。1975年1月26日北海道生まれ。1999年にソニー・コンピュータエンターテインメント入社しているが、2004年退職。
ゲームでは東エリのジャケットやポスターにも登場している。
関連東エリ

アトランティス
「現実を非現実の境を飛び越える! 謎解明マガジン」がキャッチフレーズの、心霊現象やポルターガイスト、UFO、超古代文明などミステリアスな内容ならばなんでも扱うオカルト総合雑誌。株式会社超科学研究社が出版している。1976年7月創刊。2006年1月現在で448号が発行されている。どういうわけか創刊号以外は増刊号しか見受けられない。
元ネタは学習研究社発行のミステリー総合誌「ムー」。「アトランティス」も「ムー」も、幻の大陸と言われていることで共通している。

天降りの神石(あまくだり・の・しんせき?)
眞魚岩の別名。堕辰子とともに空から降ってきたとされるために、この別名が名づけられたのであろう。もしくはこちらの名前が本来の名前であった可能性もなくはない。
関連眞魚岩

天の川(あま・の・がわ)
羽生蛇村小学校折部分校の5・6年教室の廊下に貼られてある習字の題材。美浜奈保子はこれを「てんのかわ」と読んだ。
天の川は、淡い星々の光が重なって帯状に見えるもののこと。ガリレオ・ガリレイが1610年に天体望遠鏡で観測し、無数の星の集合体であることを発見した。ギリシャ神話では、女神ヘラの母乳が流れ出たものとされ、そのため英悟では「Milky Way」と呼ばれている。中国や日本などに伝わる七夕伝説では、織女星(こと座のベガ)と牽牛星(わし座のアルタイル)を隔て、会えなくしているのがこの天の川とされている。
関連羽生蛇村小学校折部分校美浜奈保子

雨(あめ)
異界では雨が降りしきっていることが多かった。これはただの自然現象か、それとも堕辰子の呪いか。いずれにしろ異界に降る雨は赤く、これを体内に取り入れても屍人に近づくことは間違いないだろう。
学校から脱出した時、春海がこの雨の影響を受けなかったというのは幸運というしかない。
関連赤い水

粗戸(あらと)
大字粗戸上粗戸

安全第一(あんぜん・だいいち)
上粗戸の眞魚川護岸工事現場に貼られている安全標識のひとつ。
安全メットをかぶった人が親指と人差し指を立てながらニッコリと笑っている。
関連眞魚川護岸工事現場

安野 秀男(あんの・ひでお)
安野依子の父親。
東京都品川区在住。
関連安野依子

安野 正子(あんの・まさこ?)
安野依子の母親。
東京都品川区在住。
関連安野依子

安野 依子(あんの・よりこ)
城聖大学で民俗学を専攻する女子大生。1981年6月25日生。
とにかく竹内先生Love。今回も竹内にムリヤリ同行して異界に巻き込まれる。
眼鏡にボ−ダーのTシャツとジーンズ、そして今時珍しいおだんごヘアーという格好からもわかるように彼女もかなりの変わり者である。
物語中盤、宮田によって恭也の血を輸血され、神代の血を取り込み屍人にはならない不死の体となっている。
最後は異界に取り残されるも、バット片手に愛しの竹内と楽しくやっているものと思われる。
イメージの元となったのは、諸星大二郎の『栞と紙魚子』シリーズに出てくる古本屋・宇論堂の娘、紙魚子(しみこ)か?
モデルと声を担当したのは水野雅美。
関連竹内多聞城聖大学バット水野雅美

異界(いかい)
通常の世界とは異なる世界。本編中の舞台はほとんどが異界であり、現世と常世の境目に存在する。
関連現世常世

生き返り頭脳ゲーム(いきかえり・ずのう・げーむ)
ミニゲームとしてもプレイすることができるパズルゲーム。やり方はQ&Aのページを参照のこと。
元ネタは1970年代に流行したファミリー用ゲーム「生き残り頭脳ゲーム」。

生贄(いけにえ)
神の怒りを静めたり、喜ばせるなどの目的で、人や動物を生きたまま捧げること。物語や説話などでは本当に生きたまま捧げられることがあるが、実際は捧げる過程で生贄を殺し、殺したことで神に捧げたとする。
羽生蛇村では数十年に一度、神代家の娘を生贄として神に捧げる儀式を行っていた。
関連神の花嫁

医師(いし)
宮田司郎の職業。
医業を行うことは医師にのみ認められており、医師免許は医師国家試験に合格して、医籍登録を完了した者に厚生労働大臣により与えられる。
医師国家試験の受験資格は(1)6年制の大学医学部医学科を修了したもの (2)医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの (3)外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの (4)沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第17条第1項の規定により医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したものである。
また2004年度から、医師として勤務するためには医師国家試験を合格した後、2年間の臨床研修を行うことが義務づけられた。
現在、医師免許に更新期限はなく、医療過誤、犯罪等による資格停止・剥奪は医道審議会により決定され、通常は生涯にわたって有効とされる。また医師は法律上すべての診療科における診療行為を行うことができる。ただし歯科の診療行為は歯科医師国家試験に合格し歯科医師免許を交付された歯科医師だけに限られ、当たり前だが獣医業も獣医師試験に合格した獣医師だけに限られる。
命を救う職業であり、給料も高いと思われているので、医師にあこがれる人も多いが、医師になるまでに多大な費用と労力が必要となり、医師になってからも仕事の内容がキツく、生活リズムがメチャクチャになる上、実際は給料も言うほど高くはないようである(と言っても一般のサラリーマンよりは当然高い)。
関連宮田司郎

石田 徹雄(いしだ・てつお)
羽生蛇村駐在所に勤務していた巡査。無類の酒好きで、「第33回羽生蛇村きき酒大会」でも優勝を勝ち取っている。
異変の当日も、勤務中にもかかわらずアルコールを摂取していたのか、アルコールと赤い水の耐性が反比例するのか、現実と異界の狭間が揺らぎ始めてから現世の羽生蛇村に赤い水の成分が交じった前日の深夜、極めて耐性の低かった石田は異変の前にもっとも早く半屍人化の兆候が現れ、一緒に勤務していた初老の上司を射殺して周囲を徘徊し始める。
その途中、須田恭也に出くわし、射殺しようと襲ったところ、逆に車に撥ねられて返り討ちにあう。
海送りを終えた後は羽根屍人となるが、酒好きがたたって愛銃のニューナンブを恭也に奪われてしまう。
モデルと声を担当したのは江戸清仁。
名前の元ネタは『秘密のデカちゃん』というドラマの主演をしていた石立鉄男。
関連駐在巡査羽生蛇村きき酒大会羽根屍人酔う
38口径警察銃大予言「了解、射殺します・・・」
「大人しく、出てきなさい」「無駄な抵抗は止めなさい」
江戸清仁

遺書(いしょ)
死後のために書き残す手紙や文書のこと。
27年前の儀式に失敗し、村を土砂災害で壊滅させてしまったという重荷に耐え切れなくなった先代求導師の牧野怜治は、牧野慶宛ての遺書をのこして自殺している。
関連牧野怜治

イチゴ
1.前田知子が家出する直前に、両親へ残した手紙の便せんに印刷されているもの。
2.ジャムとして蕎麦に入れてはいけないもの。
関連前田知子羽生蛇蕎麦

一斗缶(いっと・かん)
調味料、油類等の保存や運搬に使用するスチール缶。
「斗」とは尺貫法の容積の単位の一つで、約18リットル。
1959(昭和34)年、メ−トル法の実施にともない日本工業規格(JIS)が改訂されて、「18リットル缶」が缶の正式名称となっているが、今までなじんできた呼び名として「一斗缶」や「石油缶」、「五ガロン缶」などと呼ばれている。
牧野が八尾のベールを確保するために足場として利用した。

井出 杏奈(いで・あんな)
前田知子のモデルと声を担当した役者さん。
東京児童劇団所属。1989年1月14日生まれ。
関連前田知子

井戸(いど)
地面を掘って、そこから地下水をくみ上げる設備のこと。上水道が普及していなかった時代では、貴重な取水施設として重要視された。
それに対して禁忌も多く、中には井戸の中を覗いてはいけないというものもある。
日本では、地下の黄泉の国につながる入り口であるとされ、『今昔物語集』などには小野篁(おののたかむら)が井戸を通って冥界に行ったという話が載っている。そのため幽霊がよく出る場所であるとされている。
大字波羅宿にある井戸は、底に半人半魚のミイラがあったり、桶を引き上げると霊感の強い人間には子供の手が見えたり、井戸の水を抜くと旧日本軍の隠し武器倉庫につながっていたりして、かなり怪しげなスポットとなっている。
関連井戸底の偶像

伊藤 潤二(いとう・じゅんじ)
ホラー漫画家。1963年7月岐阜県生まれ。
幼い頃より、楳図かずお、古賀新一らの怪奇マンガに熱中し、自ら怪奇マンガを描き始める。歯科技工士専門学校卒業後、歯科技工士になるが、月刊『ハロウィン』にて楳図賞が開設されたのをきっかけに、『富江』を投稿。第1回楳図賞にて佳作入選しデビュー。
1990年、歯科技工士を退職し、マンガに専念する。
代表作は『富江』シリーズ、『うずまき』、『首吊り気球』など。『道のない街』や『サイレンの村』などは『SIREN』にも大きな影響を与えている。
『SIREN MANIACS』では独自の解釈によるアナザーストーリー『魔声』が掲載されている。
関連『魔声』

井戸底の偶像(いどぞこ・の・ぐうぞう)
大字波羅宿の井戸の底に沈んでいた、板の上に打ち付けられた半人半魚のミイラのこと。
なぜこの偶像が井戸に沈められていたのかについては、ゲーム中で納得のいく説明はなされていない。
ちなみに、この偶像を制作するのに使われた魚の部分は、180円でスタッフが魚屋で買ってきたものらしい。
関連井戸

犬屍人(いぬ・しびと)
赤い海へ海送りされた半屍人が変異する、いわば屍人の第二段階の一つ。女性だけがこの形態に変異する。這うような姿勢と頭から突き出た触覚が特徴で、扉を開け閉めする知恵はすでになくなっており、頭脳屍人によって制御されて始めて行動することができる。
主要キャラの中では美浜奈保子だけがこの形態に変異してしまっている。
関連美浜奈保子頭脳屍人

異聞(いぶん)
羽生蛇村異聞

「違法建築」(いほう・けんちく)
肥大化した屍人ノ巣を見て、安野依子がそれを評した時の言葉。
関連屍人ノ巣

不入谷(いらずたに)
明治時代まで禁足地であった場所。ここで不入谷壁画が発見されている。
不入谷教会もここに位置しているものと思われる。
関連不入谷教会不入谷壁画

不入谷教会(いらずたに・きょうかい)
眞魚教の信仰活動の中心。
キリスト教の教会を模した感じではあるが、どこかそれとは異なる内装となっている。
教会奥にある鉄格子の向こう側は、神代家の地下通路とつながっており、教会はその地下通路の奥でうごめく異形のものを隠匿する役割も持っている。
関連眞魚教

不入谷家(いらずたに・け)
眞魚教の求導師を務める家系のことであるが、必ずしも同じ家系の人間がやらなければならないわけではないようである。
最近では牧野家がこの家名を継いでいた。
関連求導師牧野慶牧野怜治

不入谷壁画(いらずたに・へきが)
明治時代、不入谷で発見された壁画。描かれた推定年代は7世紀後半。眞魚岩と思われる三角形の岩の上に堕辰子らしき存在が出現、それを見た3人の人間が異形の存在を畏れ、敬っている様子が描かれている。
関連不入谷堕辰子眞魚岩

異類婚姻譚(いるい・こんいん・たん)
人間以外の存在、即ち、動物や精霊または神と人間との婚姻を主題とする説話の総称。
物語の分類として、女性が異類の場合、婚姻は一旦は成立し、場合によっては子供すらもうけるが、男性が異類の場合、ほとんどが婚姻成立前に殺されてしまう傾向がある。

余談であるが、人間の体を神への供物として捧げる「人身御供譚」との物語構成上の類似点が多いことから、「嫁入り」と「生贄」、すなわち「食」と「性」との関係は等価であり、置き換え可能ではないかという指摘もあり、このことから人身御供祭祀(人身御供譚を由来とし、人身御供に見立てられる演出が行われる祭祀)において奉仕する女性は「花嫁(神の性的奉仕者)」と「供物(神の食物)」の両イメージが付与されているという傾向も見られる。
関連神の花嫁

因果律(いんが・りつ)
羽生蛇村を拘束する一定の法則のようなもの。村にかけられた呪いによって、必然的にその法則に従わされる。
一般的な意味では、原因があれば結果がともなうという当たり前と言えば当たり前の法則のこと。もともとは仏教における、前世の行いの良し悪しが生まれ変わった時の人生に影響を与えるという考えからきている。
羽生蛇村を取り巻く因果律は何が原因で何が結果であるのか不明だが、後継ぎを必要とする不入谷家と宮田家のもとに、異界から双子が戻ってきたのが因果律が発動した最たる例であるとされている。
関連村の呪い

いんふぇるの
常世の世界(の一つ)。
地面には月下奇人が咲き乱れ、荒涼と広がった世界の中央には、他の次元との境界線となる眞魚岩が存在している。
本来、現世の存在である人間は行き来できないが、堕辰子と同一体である者(比沙子、美耶子、恭也)は自らの意思で水鏡を通って行き来することができる(淳が何故いんふぇるのに来れたのかは不明。比沙子の助力を得た?)。
関連常世月下奇人眞魚岩

うたおう会(うたおう・かい)
羽生蛇村役場福祉係が開催する健康づくり教室の一つ。
羽生蛇村在住の60歳以上を対象に、昔懐かしい唱歌や童謡を歌い、仲間作りを通して、生きがいを持って健康な実りある人生を送ってもらうのが目的。内容は健康講話、体操、歌。
1976年8月から毎月第一土曜日に、羽生蛇村村民会館で開催される予定だった。
関連健康づくり教室

うつぼ舟(うつぼ・ふね)
1.ある日、川上から「お椀にガラスの蓋をした不思議な形の舟」が流れてきた。奇妙な梵字が書き込まれたその物体には、白い髪で赤い目をした異様な風体の女が乗っていて、その女が大切そうに抱えた箱には、何か大事な物が入っていた、という羽生蛇村に伝わる伝承。
2.堕辰子復活の儀式に用いられた祭壇そのもの。

うつぼ舟がタイムマシーンのように自在に時空を行き来できるのか、それとも偶然にまかせて(というより因果律によって?)様々な時空へ行ってしまうだけなのかは不明。ただ、前者だとすると何でもありになってしまう感じがする。

うつぼ舟(うつろ舟などとも)伝承は様々な物語で見られるが、アーカイブの画像の元ネタとなったのは、江戸時代に滝沢馬琴らが編んだ随筆集『兎園小説』の第14話『虚舟の蛮女』かと。

姑獲鳥(うぶめ・どり)
茨城県地方でいう妖怪で、うばめどりともいう。別名は夜行遊女、天帝少女、乳母鳥など。鬼神の一種であり、よく人の生命を奪う。毛を着ると鳥の姿になり、毛を脱ぐと女性の姿になる。産婦の死後に化けたモノであるため、雌のみであり胸の前に乳房を持つ。他人の子供を奪って自分の子とする習性があり、夜に干された子供の着物を発見すると血で印をつける。印をつけられた子供はたちまち魂を奪われ病気となるが、これを無辜疳(むこかん)と呼ぶ。7、8月の夜に飛んで人を惑わす。
もともと中国の姑獲鳥(こかくちょう)のことであり、これが由来となっているようである。
なお、京極夏彦の小説で(比較的)有名になった姑獲鳥(産女、うぶめ)は、難産で死んだ女性の霊が妖怪化したもので、夜の道ばたなどで子供を抱いて泣いており、通りかかった者に子を抱いてくれるようにせがむ(その子を抱くと死んだり、逆に大力を授かったりする)、というものであり、ウブメドリとは本来別のモノだが混同されている。
『異聞』第三話では、死んでしまった吉村夫妻から、双子の赤子の一人・吉村克昭(後の宮田司郎)を奪い取ったという宮田涼子の行動が、姑獲鳥のごときであるように表現されている。
関連宮田涼子

海送り(うみ・おくり)
1.羽生蛇村に古来から伝わる民俗行事。旧暦の大晦日に、黒装束に身を包み眞魚川に身を沈め、一年の罪やけがれを祓い清める。この後に行われる儀式は海還りと呼ばれている。
2.永久に変わらない不老不死の理想郷である常世に入るため、屍人が行う、赤い海と一体化するための通過儀礼のこと。6時間ごとに鳴るサイレンを機に、次の段階に変容する準備が整った屍人たちが、赤い海へ入り海送りされていく。
関連海還り

海還り(うみ・かえり)
1.羽生蛇村に古来から伝わる民俗行事。旧暦の大晦日から年明けまでの間、海送りで眞魚川に身を沈めていた人々が年明けと同時に岸辺に上がる。穢れを洗い清めた人々は、常世の神の恩恵を受けたとされ村人達のもてなしを受ける。
2.海送りを始めてからおよそ5時間後、神に迎え入れられる準備がまだだった屍人たちは、海還りで戻ってくる。しかし屍人たちにとって海還りをした屍人は、より屍人化が進行し、常世の神の恩恵によって人の世の穢れが清められ、常世(理想郷)に近づきつつある者とされる。
関連海送り

宇理炎(うりえん)
それぞれに剣と盾の紋様が刻まれた2体の土偶の形をしているが、実は「力が生まれたときに同時に生まれる、相反する力」を宿した神の武器であり、不死の存在である屍人を永遠に消し去る力を秘めている。ただし、その絶大な力を発動させるためには使用者の生命を引き換えにしなければならないが、永遠の命を持つ人間はこれを制限なく使用できる。
名前などの元ネタは、「神の炎」という意味の名前を持つ、天使ウリエル。
関連永遠の命

ウロボロス
自分の尾を噛んで輪を作る蛇または竜で表現される永遠の象徴。始めと終わりがないことから、自己の消尽と更新を繰り返す永劫回帰や無限、真理と知識の合体、創造など幅広い意味を持っている。両性具有であり、自己創造と自己破壊を永遠に続ける存在である。
名前の由来は「尾を貪り食らう者」という意味のギリシア語。
現在の無限大の記号(∞)の元となっている。
錬金術の世界では、カオスの対称となる「整然とした宇宙」を表すといい、また地球や閉鎖の原理をも示している。
虚母ろ主は『SIREN』だけで用いられている当て字。
関連虚母ろ主の輪

虚母ろ主の輪(うろぼろす・の・わ)
八尾比沙子が堕辰子の首を持ったまま次元の奈落へと落ちていったために、終わりと始まりという概念自体が消え去り、御神体(堕辰子の首)が求められるすべての時代に白髪化した八尾が堕辰子の首とともに現れる。こうして村の呪いは終わることなくループしていく・・・
関連八尾比沙子ループ

永遠の命(えいえん・の・いのち)
1.現世の存在が赤い水の力を得ると死ねない体となる代わりに屍人へと変容し、海送りと海還りを繰り返すことで赤い海と同化し、共有された永遠の命を得る。
2.神代の本家の人間は、永遠の命を生まれながらにして持っている。ただしそれは呪いによるものであり不完全な不死であるため、肉体が朽ち果て、自我すらなくなっても、精神だけが生き残り、永遠に煉獄の苦しみにのたうちまわらなければならない。
関連赤い水神代家の呪い

「永遠の契約」(えいえん・の・けいやく)
美耶子は第2日0:23:36のデモムービーにて、自分と恭也の掌を切り裂き、血を交わらせている。これによって美耶子の実としての完全性は失われ、恭也は永遠の命を持つようになる。
関連神代家の呪い神代の血永遠の命

「永遠の若さ」(えいえん・の・わかさ)
美浜奈保子はこの言葉を繰り返しながら、水蛭子神社の湧水に身を沈めた。
その結果、彼女は永遠の若さを得ることはできたが、「永遠の美しさ」を得られたかと問われれば違うと答えるしかないだろう。
関連美浜奈保子

江戸 清仁(えど・きよひと)
石田徹雄のモデルと声を担当した役者さん。
鰍yONE/Z団所属。1973年9月15日神奈川県生まれ。身長174cm、スリーサイズは上から87、74、89。特技はTVゲーム、電卓(3級)。
現在、「SIREN 石田巡査役 江戸清仁がSIREN2にも出演さ!!」というブログを展開中。
また『SIREN2』にも屍人役で出演しており、『SIREN3』では密かに主役を狙っている。
関連石田徹雄

絵葉書(え・はがき)
安野依子が両親に送ろうとしたもの。
絵葉書の絵柄は棚田である。しかしかなり前に作られたものであるのか、郵便番号を書く欄は5桁である。
関連安野依子

絵日記(え・にっき)
1.吉川菜美子が書いていたもの。合石岳で見た小さな光について書かれてある。
2.竹内多聞が幼少時代に書いていたもの。目をつぶると両親の姿が見えるということが書かれてある。
関連吉川菜美子竹内多聞カモシカ絵日記帳

エリザベート・バートリー
1560年に、ハンガリーのトランシルバニア地方の名家・バートリー家に誕生した娘。当時のポーランド国王の従兄弟でもあった。
ある日、エリザベートが女中を折檻して浴びた返り血を拭うと、血を浴びた部分だけが若返っていることに気づき、前々から自らの美貌を保つことに執着していたエリザベートは、それ以来若返りの儀式として若い女性の血を浴びるようになったという。若い女性から搾り取った血液を浴槽にためてそれに浸かったり、無数の鋭利な刃がついた人が入るくらいの鳥かごに女性を入れて、天上に吊り下げそれを揺さぶり、傷ついた女性の血をシャワーのように浴びたりした。エリザベートによる被害者は、本人の日記の記述によれば、若い女性ばかりが612人とされるが詳細は不明。そのような凶行に及んだゆえに、エリザベートは吸血鬼の元祖とされている。

竹内多聞が水蛭子神社の湧水を調べると、「エリザベート・バートリーの血の風呂を思い起こさせる…」と表示される。竹内がそのような感想を持った赤い水の湧水に、美浜奈保子が若さと美貌のために入水したことは非常に興味深い点であるといえる(美浜の入水の元ネタは諸星大二郎の『暗黒神話』らしいが…)。
関連水蛭子神社湧水竹内多聞美浜奈保子

『王家の紋章』(おうけ・の・もんしょう)
安野依子が昔読んでいたというコミックの題名。
作者:細川智栄子、出版社:秋田書店、2005年9月現在で50巻刊行され、現在も月刊プリンセス(秋田書店)で連載中の少女漫画界の大長編コミック。
アメリカ人で考古学者の娘のキャロルという少女が、下エジプトの女王であり神殿の祭祀でもあるアイシスの呪術により、古代エジプトにタイムスリップする。金髪碧眼に白い肌、21世紀の人間としての知識が古代エジプトにおいて人々の耳目を集め、「ナイルの娘」後に「ナイルの姫」としてあがめられ、アイシスの婚約者であり弟であるメンフィスに見初められる恋と歴史ロマンの物語。
第36回(平成2年度)小学館漫画賞受賞。

※連載開始当時は"20世紀"の設定だったが途中で21世紀に突入したので変更。近年増刷・発売されたコミックス及び文庫本ははじめから21世紀の設定になっている。
関連安野依子

大字(おおあざ)
字名(あざめい)のうちのひとつ。町村内の行政区画で、小字を含む比較的広い地域のことをさす。規模としては○○町と同じである。1889(明治22)年の市制・町村制実施にあたって行われた明治の大合併で、統合された旧村を区画として引き継いだものであり、基本的に地方の住所に多く見られる。
最近では新しい地名をつける場合、字名をつけないようにする条例が作られているので、いずれ大字○○という地名はなくなるかもしれない。
関連大字粗戸大字波羅宿

大字粗戸(おおあざ・あらと)
27年前まで羽生蛇村に存在していた商店街。食堂やタバコ屋、理髪店などの店舗が立ち並んだ小さな町である。
1978年8月に着手された土地区画整理により、この地域は上粗戸に名前が変更された。
関連上粗戸

大字波羅宿(おおあざ・はらやどり)
27年前まで羽生蛇村に存在していた地区。切り立った崖を棚田状にして建てられた家屋が集まっている。戦時中に作られた防空壕施設が点在することから、集落のどこかに旧日本軍の手によって隠された武器があるという噂がある。
1978年8月に着手された土地区画整理により、この地域は下粗戸に名前が変更された。
名前の元ネタは、江戸時代にうつぼ舟が流れ着いたとされる常陸の国(現在の茨城県)にあったという「はらやどり」。
関連下粗戸

大山解体商会(おおやま・かいたい・しょうかい)
屍人ノ巣(大字粗戸)にある解体屋。有限会社。
須田がフロアジャッキを拾ったり、竹内に看板を落とされたりしている。
関連屍人ノ巣大字粗戸

オーロラ
知子が第2日6:06:01で天上に見たもの。
屍人になると、知子が「天使様」と呼んだ奇妙な飛行体とオーロラが見えるようになる。普段こんな風景を見ることができるならそれは幻想的で良いだろうが、屍人になってまで見たいものではないだろう。
関連「天使様」

岡本 奈月(おかもと・なつき)
神代美耶子のモデルと声を担当した役者さん。
SWEET ROOM所属。1989年9月13日三重県生まれ。O型。趣味は料理(オムライスとハンバーグ)、特技は謡曲、仕舞、スキー、スケート、ピアノ、ナツキロック(?)。
オフィシャルサイトはこちら
関連神代美耶子

オカルトランド
『SIREN』スタッフが現実とゲームの融合を図るために、現実のインターネット上に用意したウェブサイトの名前。「血塗れの集落」というスレッドには須田恭也がSDKのハンドルネームで書き込みをしている。
他にも美浜奈保子のバナーがあったり、スカイフィッシュやあかんぼう岩など、いろいろとネタが詰め込まれているサイトである。
ちなみにオカルトランドはこちら
関連SDK血塗れの集落空魚あかんぼう岩くねくね

押入れ(おしいれ)
日本間についている物入れで、寝具や道具を入れる場所。
田堀の廃屋では、春海が睡眠の場所に使ったり、屍人から隠れるのに大いに利用されている。一度押し入れに隠れると、なぜか屍人には見つからなくなるという不思議ゾーンでもある。
関連廃屋四方田春海

御印(おしるし)
1.自らの意志で幻視が使えること。常世の存在である堕辰子の血を色濃く受け継ぐと、自在に幻視能力を扱えるようになる。盲目であることは、幻視能力も高くなることを意味し、そのため美耶子(当代)は強い御印を持っていた。
2.儀式の執行を開始する契機であり、神の花嫁に初潮がきたということ。
ちなみに14歳で初潮が来るのは遅いらしい。でも遅いと思ったからといって、本人に「うわっ!遅っ!やばいんじゃない?」とか言ってはいけません。
関連幻視神代美耶子盲目神の花嫁

「大人しく、出てきなさい」(おとなしく・でて・きなさい)
須田恭也の前日23:00で、恭也が物陰に隠れていると石田徹雄が言う台詞。
ドラマなどに出てくる警察官が、立てこもっている犯人に対して言う台詞で、この前に「無駄な抵抗はやめて」をつけることが多い。また、この後に「お母さん(おふくろさん)が泣いてるぞ」などとつなげる場合もある。本物の警察官が実際にこの台詞を使うのかどうかは不明。ただ、ドラマや小説などでは、こう言われて素直に出て行く人はあまりいない。
なお、石田のこの台詞には3つのパターンがある。文字で表すとすると「大人しく、出てきなさい」、「大人しく、出てぇきなさぁい」、「大人しくっ、出て、きな、さいっ」の3パターン。
関連石田徹雄

『おとりの私』(おとり・の・わたし)
東エリの『私の彼の左手に肉球』のB面の曲名。内容は不明。
元ネタは、麻丘めぐみの『私の彼は左きき』のB面の曲『ひとりの私』。
関連東エリ『私の彼の左手に肉球』

お昼の特盛ワイド(おひる・の・とくもり・わいど)
美浜奈保子が1996年に出演したテレビ番組。詳細は不明だが、おそらく昼間のワイドショーかと。
関連美浜奈保子

折臥ノ森(おりふし・の・もり)
蛇ノ首谷の中腹に位置する森。
人が頻繁に通るような場所ではないため、過って人を殺してしまい、死体をどこかに隠さないと、と思っている人にとっては最適の場所である。
関連蛇ノ首谷

折込鋸(おりこみ・のこぎり)
刃を柄の部分に折りたたむことのできる小型の鋸。保管や携帯する時に安全性が確保できるという利便性がある。
恭也と依子が屍人ノ巣に侵入する時に用いた。

恩田 美奈(おんだ・みな)
宮田医院に勤務する看護師。理沙という双子の妹がいる。
宮田司郎と深い仲になったものの、彼のトラウマに触れてしまい、絞殺されてしまう。しかし臨死中に赤い水を取り込むことができたため屍人化。海送りを終えた後は頭脳屍人となり、「半身である理沙と同じ状態になりたい、一つになりたいという純粋な姉妹愛」によって、本能的に理沙を追いかける。そしてそれが達成されてからは、理沙と一緒に宮田を追いかけ始める。
「男に尽くすタイプだが、思い詰めるあまりに執着しすぎる」性格らしい。
名前の元ネタは80年代のアイドル本田美奈子から、という説あり。
モデルと声を担当したのは児玉啓(二役)。
関連恩田理沙看護師宮田司郎児玉啓

恩田 理沙(おんだ・りさ)
実家で家事手伝いをしている幸薄い女性。美奈という双子の姉がいる。
中学卒業後、集団就職で上京して、スーパーのレジ打ちをしながらどうしても馴染めない東京生活を送っていたところ、とある業界の人に着いていってしまい、危ないところで逃げ帰ったが、心に深い傷を負い、結局は仕事をやめて実家にまい戻った。
帰りが遅い姉の美奈を心配して病院に向かう途中、異変に巻き込まれる。美奈と同調して屍人化した後は、美奈とともに宮田を追いかけ続ける。
名前の元ネタは80年代のアイドル本田理沙から、という説あり。また、「恩田姉妹」という設定は「やっぱり猫が好き」というドラマから取ったようである(ただしこのドラマの姉妹は三姉妹)。
モデルと声を担当したのは児玉啓(二役)
関連恩田美奈宮田司郎家事手伝い児玉啓



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