サイレン事典 ま行

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マウンテンバイク
荒野、山岳地帯等での高速走行、急坂登降、段差越えなどを含む広範囲の乗用に対応して、軽量化並びに耐衝撃性、走行性能および乗車姿勢の自由度等の向上を図った構造の自転車のことで、原則として次の仕様によるものをいう。
・悪路・荒地での安定のよいフラットハンドル
・サドルの調整幅が100mm以上と広く、軽量で衝撃に強い頑丈なフレーム
・泥づまりしにくく、制動力に優れたブレーキ
・車輪径の呼び24インチまたは26インチもしくは29インチで、幅1.5インチ以上の太いタイヤ
・ワイドレンジのチェンジギヤ(一般に18段、21段、24段、27段)
MTBと略されることもあり、一時期はATB(all terrain bike、全地形対応型自転車)やMTC(mountain cycle、マウンテンサイクル)などと呼ばれたこともあった。
須田恭也は折畳式マウンテンバイクを「愛車」として使用しており、羽生田村にも最寄の駅で降りた後、それに乗って来ている。しかし、村に到着して林の中を走行中、タイヤがパンクしてしまったため、やむなく「愛車」は放置されることとなった。
恭也がマウンテンバイクに乗っているという設定は、須田恭也が書き込みをしたオカルトランドの掲示板にある「血塗れの集落」というスレの元ネタの「かなりやばい集落見つけました。」を書いた人の名前が「マウンテンバイク」であるため(ややこしい)。
関連須田恭也愛車オカルトランド血塗れの集落

前田 隆信(まえだ・たかのぶ)
前田知子の父親。
村役場に勤める真面目な公務員で、趣味の写真撮影を生かして、羽生田村役場報をはじめとした広報紙に写真を提供している。
異界に巻き込まれた後は、家出していた娘の知子を心配して、妻の真由美とともに捜しに出かける。教会にたどり着いた二人は、その場にいた求導女である比沙子に知子の捜索を任せ、教会で娘の帰還をじっと待っていた。
そして第2日の6:00に知子が教会に訪れるが、そこにいたのはすでに異形と化してしまった娘であった。一度は屍人となった知子を拒絶したが、娘を思うあまり妻とともに教会を出て知子を捜し出すが、屍人に襲われて半屍人となってしまう。けれども、そのおかげで娘と感動の再会を果たすことができ、それからは親子3人で田堀の廃屋で一家団欒の時を過ごす。
屍人化した後の日課は、仏壇を拝む、タバコに火を付ける(付かないが)、トイレに行く、洗髪する。
モデルと声を担当したのは外谷勝由。
前田家の名字の元ネタは、1983年に放映されたドラマ『積み木くずし〜親と子の200日戦争』で、父親・穂高信彦役を演じた前田吟から。隆信の名前は、同じく『積み木くずし』の著者・穂積隆信から。
関連前田知子前田真由美
外谷勝由

前田 知子(まえだ・ともこ)
羽生蛇村立中学校2年1組に在籍する、ごくごく平凡な中学生。1989(昭和64)年5月11日生まれ。通称:赤ジャージ。
両親に溺愛されて育ったために夢見がちな部分を残す少女で、お姫様やイチゴなどの可愛いものが大好きである。
ある日、知子の成績が最近下がっていることを気にかけた両親が知子の日記を読み、その事実に気づいた知子は生涯最大のショックを受ける。当然、両親とはケンカになり、自分の日記を見たことがどうしても許せなかった知子は、両親に自分が本気で怒っているということを分からせるために、家出という一大決心をする。もちろん家出とは言っても、本当に実家を飛び出して一人で暮らしていくというものでは当然なく、「少し親を心配させてやろう」程度の、いわゆるプチ家出である。そんなプチ家出中に知子は異変に巻き込まれてしまう。
異界で目覚めた知子は、周囲の異様な気配に恐れおののき、家出していたことも忘れて家に帰ろうとする。しかしその途中で半屍人に襲われ、パニックに陥りながら逃げ惑う。その時に出会ったのがよりにもよって求導師の牧野であった。知子にとっては「頼りになる求導師」の牧野であったが、当の牧野はただのヘタレ。最後には知子を見捨てて去ってしまう。
牧野とはぐれてしまった知子は、神社の社に隠れていたが、遠くから響いてきた銃声(志村の自害の音)による恐怖でいたたまれなくなり、意を決してそこから逃げ出そうとする。そしてなんとか屍人から逃れた知子のもとに現れたのは求導女の八尾比沙子であった。両親が教会で待っていることを告げられた知子は求導女に連れられて教会へと向かう。しかし、次第に覚醒しつつある比沙子の手によって、知子は屍人の待ち受ける廃屋に通され、そこで屍人に襲われてしまう。
いつの間にか1人になった知子は、周囲に奇妙な飛行体が漂い、天上には美しいオーロラと光柱が輝いていることに気づく。しかしそれはすでに知子が屍人になりかけているために見れる光景であり、そのため屍人たちは知子を見つけても襲いかかっては来ずに、喜んで迎え入れている。なぜなら屍人になるということは、人間としての生を捨てることであるが、より神に近づく喜びの行程だからである。
そんな自分の身に起こっている状況に気づかないまま、知子は必死の思いで両親の待つ教会へとたどり着く。だが、いつのまにか半屍人と化していた知子は両親から拒絶されてしまう。一方、知子はまだ自分が半屍人となっていることを理解してはいないため、「家出したからお父さんとお母さんは怒って中に入れてはくれないんだ」と悲しむ。
だが、しばらくすると半屍人と化した両親が迎えに来てくれ、知子は喜びの思いでいっぱいになる。そして再会した親子は仲良く田堀の廃屋に住み着き、須田が宇理炎で焼き払いに来るまで、一家団欒の時を楽しんだ。
屍人化した後は、ちゃんと母親の言いつけどおり(?)熱心に勉強しています。
モデルと声を担当したのは井出杏奈。
名前の元ネタは、ドラマ『積み木くずし〜親と子の200日戦争』で娘の穂高香緒里役を演じた高部知子から。
関連前田隆信前田真由美牧野慶赤ジャージ
井出杏奈

前田 真由美(まえだ・まゆみ)
前田知子の母親。主婦。
ある日、娘のテストの点数が下がってきていることに心配し、勝手に日記を見てしまう。そのことを知った知子は怒って家出してしまう。その娘の帰りをいたたまれない気持ちで待っている中、異変に巻き込まれてしまう。異界で目覚めた後は、夫の隆信とともに、家出していた知子を探しに出かける。教会にたどり着いた二人は、その場にいた求導女である比沙子に知子の捜索を任せ、教会で娘の帰還をじっと待つことになる。
第2日の6:00に知子が教会に訪れるが、そこにいたのはすでに異形と化してしまった娘であった。一度は屍人となった知子を拒絶したが、娘を思うあまり夫とともに教会を出て知子を捜し出すが、屍人に襲われて半屍人となってしまう。けれども、そのおかげで娘と感動の再会を果たすことができ、それからは親子3人で田堀の廃屋で一家団欒の時を過ごす。
砂嵐(テレビの「ザー」という画面)で爆笑してます。包丁ダンダンしてます。屍人化した顔がかなり恐ろしいです。
モデルと声を担当したのは住吉理栄。
名前の元ネタは、ドラマ『積み木くずし〜親と子の200日戦争』で母親の穂高三枝子役を演じた小川真由美から。
関連前田知子前田隆信
住吉理栄

牧野 慶(まきの・けい)
牧野家の跡取り息子として、羽生蛇村の信仰の中心となる不入谷教会の求導師となることを運命づけられた青年。気が弱く、村人からの期待と敬慕の念に重圧を感じている。
慶はもともと吉村家の双子の兄・吉村孝昭として生まれ、1976年の消失事件によって一時は異界に巻き込まれているが、求導師の跡継ぎが求められていた牧野家のもとへ"因果律に従って"必然的に現世に戻され、牧野怜治の義理の息子として引き取られることになった。
眞魚教の求導師は、神代の家に生まれる神の花嫁を常世へ送る祭儀を執り行うために半生を捧げなければならない。そしてその儀式を失敗に導いてしまった求導師は、その後惨めな人生を送らざるを得なくなる。慶の養父・怜治は、1976年に行われた儀式を失敗させ災害を引き起こしてしまい、その責任に苦悩と重圧を感じ、自らその人生に幕を閉じている。そんな義父の苦悩を見ていた慶は、そんな逃れられない重圧を自分が背負うことになった立場に内面でとても恐れている。
そんな耐えられない重圧を和らげていたのは求導女・八尾比沙子の存在であった。幼い頃から比沙子の絶対的な愛を受けて何不自由なく育てられてきた慶は、すぐ比沙子を頼りにしてしまう"八尾さんコンプレックス"である。
そんな牧野は異界で偶然前田知子と出くわし、一時は行動を共にするが、屍人によって知子が襲われたときは、彼女を探すことを諦めて逃げ出してしまう。以後、知子の安否をしばしば気にしてはいるものの、知子を置き去りにしたことを黙っているのは、自分に否があると思われたくないからである。
だが、異界に巻き込まれた牧野がもっとも恐れていたことは、「儀式が失敗したために今回の異変が起きたこと」である。しばらくは、儀式が失敗したのか、まだやり直しが可能なのかわからず、不安ではあったものの「美耶子を見つければ儀式を再開できるかもしれない」というわずかな希望が残っていた。しかし、「天を曇らす光」である光柱を目撃した牧野は、理尾や丹による天罰が下された=儀式が失敗したことを知り、絶望に襲われる。
それからも何とか生き延びながら屍人ノ巣の中枢にもたどり着いた牧野であったが、そこで八尾の残酷な正体、そして儀式と"神"の禍々しさを知り、更なる絶望に打ちひしがれる。
堕辰子に襲われ気絶した後、比沙子に軟禁された場所で、恭也の血(=神代の血)が微量ながらも牧野の体内に入り、永遠に死ぬことのない呪いを受けることとなる。
恭也と竹内と別れた後は、しばらく茫然自失の状態で屍人ノ巣をさまよい続けるが、中央交差点にて宮田と再会。そこで宮田に射殺されるが、不死の呪いを受けているため甦る。しかしその肉体はもはや人とは呼ぶことのできないような肉塊であった。

第3日7:00以降に活動していた牧野は、周知の通り宮田である。
牧野を射殺し、医師・宮田司郎としての自分を捨てた宮田は、求導師・牧野慶としての第二の人生を歩み、村を救うために行動する。恭也に宇理炎を手渡し、村の井戸から入手した爆薬でダムを破壊して、屍人ノ巣を半壊させる。そしてダムの底でサイレンの誘惑に耐えるために27年間苦しみながら生き続けてきた村人たちを解放させるために、自らの命を引き換えにして宇理炎の炎を呼び出し、人々を救済へと導いた。
生命のほとんどを使い果たした牧野(宮田)は、朦朧とする意識の中、自らが死に追いやった恩田姉妹の姿を認識する。それがただの幻覚なのか、姉妹の魂のようなものだったのかは判らないが、牧野(宮田)は穏やかな笑顔で自分を呼ぶ恩田姉妹のいる煉獄の炎へとその身を投じた。

モデルと声を担当したのは満田伸明(二役)。
関連宮田司郎八尾比沙子牧野怜治前田知子吉村孝昭
求導師眞魚教神代の血肉塊
満田伸明

牧野 怜治(まきの・れいじ)
牧野慶の義父であり、慶の先代の求導師を務めた。
27年前の儀式当日に花嫁である先代・神代美耶子が失踪し、そして御神体である堕辰子の首の消失したため、儀式は失敗し、村が災害に襲われた。本来、儀式を失敗に導いた求導師はその代替わりを迫られる。しかし代替わりの話をするため神代家に向かう途中、突然空中から出現した車から双子の赤ん坊、吉村孝昭と吉村克明を見つけ、孝昭を求導師の後継者として育てることで、怜治は代替わりを免れる(この経緯については『羽生蛇村異聞』第三話を参照のこと)。
血のつながらない息子として慶と名づけられた孝昭の成長を見届けた怜治は、求導師の座を慶に譲ったあと、昭和63年6月3日に自殺する。
なお、宮田司郎(吉村克明)の母である宮田涼子は、怜治の実の妹である。
関連牧野慶宮田涼子求導師羽生蛇村異聞

『魔声』(ませい)
『SIREN MANIACS』のために書き下ろされた伊藤潤二のアナザー・ストーリー。
漁船・羽生丸に乗っていた漁師たちが、海の真ん中でサイレンのような音を聞く。新米の漁師のコウジは寝ていたためその音を聞いていなかったのだが、コウジが目覚めると漁師たちが漁をするため網を下ろしている。「久びさの大漁だ」と叫ぶ漁師たちだったが、網に掛かっていたのは大量の人間の腐乱死体であった。だが、漁師たちはそのことに気づかず「見事なマグロだ」と喜び合う。一人だけ正気だったコウジが漁師の一人に事実を告げると、ようやく漁師たちは真実に気づき始める。自分たちがしていたことに疑問を感じながらも腐乱死体を捨てる漁師たち。それから何が起こったのか話し合いを始める漁師たちだったが、サイレンの音を聞いて以来おかしくなってしまったことに思い至る。だがちょうどその時、再び海からサイレンの音が鳴り響く。耳を塞いで必死に抵抗するが、魚の跳ねている音を耳にした漁師たちは、誘われるように網を仕掛け始める。だが、その網に掛かっていたのはまたしても大量の腐乱死体であった。そして船に上げられた死体たちは人間を襲い始め、海の中へ落としてしまう。そして最後に生き残ったコウジも…。
屍人(?)をゾンビのように描いた点が批判されがちであるが、伊藤潤二的解釈によるもう一つのサイレンであるので、ゲームの『SIREN』とは切り離して読んだ方が良いだろうと思われる。
関連伊藤潤二『SIREN MANIACS』羽生丸

松井 亜耶(まつい・あや)
神代亜矢子のモデルと声を担当した役者さん。
ミル・ビサージュ アジャンス所属。1984年5月9日東京都生まれ。AB型。特技:剣道、短距離走。趣味:踊る、歌う。必殺技:手作りマドレーヌ、スイートポテト。
関連神代亜矢子

松川屋(まつかわ・や)
大字粗戸にある立呑み屋。
竹内がここに電話を掛け、屍人を誘導した。ちなみに松川屋の電話番号は、××−4216。
なお、林家には松川屋のカレンダーが貼られている。
関連××−4216

末世過乱ノ事(まっせ・からん・の・こと)
羽生蛇村に伝わる聖典「天地救之伝」の一節。独特の終末思想が記されている。
末世には、地鳴り、台風、豪雨、虫などの自然の猛威による被害と、人々の心の乱れが長く続き、今の時空と昔の時空が入り乱れ、すべての水は神王の血によって赤く染まるとされている。また、赤く染まった水を体内に取り入れた者は、死んでいる者も神王の力によって甦る。
これは言うまでもなく、異界に取り込まれた後の異様な現象そのままである。もちろん「神王」とは挿絵に描かれた姿からも分かるように堕辰子のことである。
なお「終末思想」とは言っても、それは単に「この世の終わり」を指しているわけではなく、「悪の支配する世界」が終わることを指している。そしてその「悪の世界」が超越的な力によって滅び、それからは理想の世界が永遠に続くのである。このような終末思想を黙示的終末思想という。「天地救之伝」の終末思想も、眞魚教にとっては黙示的終末思想と言えるであろう。
関連天地救之伝

待て(まて)
同行者を連れている時に登場人物ができる基本行動。同行者を待機させることができる。
ただし「待て」と言っても待たない同行者もいる。
関連「待て」と言っても待たない同行者来い

的利 照一(まとり・しょういち)
鈴木(高遠)玲子が、2001年の夏に起こった高波事故で救出した2人の子供に同行してた人物。おそらく2人の父親かそれでなかったら親戚あたりであろう。
関連高遠玲子

眞魚岩(まな・いわ)
堕辰子がこの岩と一緒に地上に降りてきたことから、羽生蛇村の人々が信仰する眞魚教の信仰対象。形状は三角錐で、村の中心部、眞魚川の中洲に存在する。別名「天降りの神石」とも呼ばれている。
いんふぇるのの中央にも眞魚岩が存在しており、鏡のようなその表面は、肉眼では見ることのできない存在をも映し出す。
岩石というよりどこか金属的な質感をしており、堕辰子を宇宙人とする人は墜落した宇宙船の一部である可能性もあると考える。
また神代家の家宝である焔薙は、眞魚岩から採取した隕鉄を精錬して作られている。
学術的にも貴重とされている岩だが、最近ではジーマン奥州グループが発売している「マナ・ストーン」のために、破片が採取されだんだん小さくなっているようである。
関連眞魚教堕辰子焔薙天降りの神石

眞魚川(まな・がわ)
羽生蛇村の中央を流れる川。
羽生蛇村にとっては海送りと海還りという伝統行事を行う重要な場所であると考えられる。
過去に何度か氾濫していたことがあるらしく、それを抑えるためにも上流にはダムが建設されている。
関連海送り海還り眞魚川水門羽生蛇水門

眞魚川護岸工事現場(まながわ・ごがん・こうじ・げんば)
上粗戸にあった工事現場。須田恭也が巡査・石田徹雄に襲われた場所であり、ゲーム中唯一の現代ステージ。
何もわからず銃を持った警官に襲われる、武器もない、幻視もできない、それより何をしたら良いのかわからないなどの理由から、プレイヤーのほとんどが印象に残っているステージであると思われる。また、最初のステージでいきなりアレだから、ここで投げ出す人も少なくない。
なお、このステージの眞魚川は、異変の直前であるためか逆流している。
関連上粗戸眞魚川須田恭也石田徹雄

眞魚川水門(まながわ・すいもん)
眞魚川上流にあるダム。牧野(宮田)が屍人ノ巣を半壊させるため爆薬で破壊した。
その水底には27年前に異界へ引きずり込まれた村人たちが、サイレンの誘惑に耐えるために長い間苦しみながら生き続けていたが、ダムを破壊したことによって27年ぶりにその姿を現すこととなった。
なお、羽生蛇水門は眞魚川水門の別名であると思われる。
関連牧野慶羽生蛇水門

眞魚教(まな・きょう)
羽生蛇村で信仰されている土俗信仰。「堕辰子」と呼ばれる独自の神を崇拝し、堕辰子の首を御神体とし、求導師と求導女と呼ばれる人物が中心となって信仰が行われている。
一見、ただの奇妙な地域信仰だが、その裏では堕辰子に生贄を捧げるという秘祭を執り行う邪教であり、生贄を捧げることで堕辰子を復活させ、楽園へ導いてもらうことを教義の目的とする。
古代、村で行われていた眞魚岩を崇拝する来訪神信仰をベースに、やがて生贄を捧げる秘祭を行うようなり、そして16世紀半ばに日本に伝来した異教と習合することで秘教の様相を呈するようになる。その後、異教の弾圧に伴い、眞魚教も弾圧されたが、秘祭だけは陰ながら行われていたと思われる。その後、明治になり解禁された異教を隠れ蓑にし、宗教的な様相をもって秘教が復活した。
羽生蛇村の村人のほとんどないし全員が眞魚教の信者であり、信者はマナ字架のメダルと呼ばれるものを所持している。
一部のレポートでよると、クトゥルフ神話との類似が指摘されている。
関連羽生蛇村求導師求導女堕辰子堕辰子の首
マナ字架のメダル

マナ字架(まな・じか)
眞魚教の宗教的象徴。羽生蛇村の墓碑としても使われているほか、道祖神に彫られていたり、生まれたばかりの赤ん坊の額に書かれたり、村の様々なところで見かけられる。
キリスト教の十字架がイエス・キリストが磔にされたものであるが、マナ字架の場合は、八尾比沙子たち昔の村人が堕辰子の肉を食べていたときに地面に置かれていた木の板がマナ字架の形をしている。
デザインは「生」という文字を逆さにしたもので、「生きる」の逆の「生きない、死」という意味が込められている。また名前も生→ナマ→マナ字架という流れで決定したらしい。
関連眞魚教マナ字架のメダル

マナ字架のメダル(まなじか・の・めだる)
眞魚教の信者が、信徒である証として持っているメダル。いぶし銀でつくられており、中央にはマナ字架が精巧に彫りこまれている。
恩田理沙が田堀の廃屋で見つけたメダルには「TAKEUCHI」という文字が刻まれている。竹内家の誰のものかは不明だが、個人的には父親の臣人のものではないかと思っている。
このメダルを地中に埋めると、夜中に月下奇人が咲くようだが、真偽は不明。
関連眞魚教恩田理沙竹内臣人月下奇人

マナ文字(まな・もじ)
屍人文字という名前が定着する以前に、仮名として使われていたもの。
屍人文字という言い方が定着してからは使用されていない。
関連屍人文字

『マニアックス』
『SIREN MANIACS』

マンホール
上水道、下水道、ガス、水道、電気、電話などの地下埋設物などを検査・清掃するために、人が出入りできるように設けられた穴。換気・採水のためのマンホールも存在する。日本語では「人孔(じんこう)」と訳されている。蓋をあけるためには専用の手鍵(マンホール・キー)やバールが必要となる。
名前の通り、人が入れる穴だから「マンホール」と呼ぶ。しかし、中には人が入れないような「マンホール」も存在しており、「ハンドホール」などと区別する人もいるが、一般的にはすべて「マンホール」と呼ばれる。また、「マンホール」という呼び方は男女差別につながるという意見から「パーソンホール」へ改称すべきだという意見もあるが、ほとんどネタとしてしか扱われていない。
マンホールの蓋は丸いものが多いが、これは落下を防止するためという理由が一般的である。蓋が四角いと角度によっては下へ落下してしまい、非常に危険である。しかし蓋が四角いマンホールも少なからず存在する。
またマンホールの蓋は、地域や用途、会社などによってデザインが異なることがほとんどであり、そういった多種多様なマンホールの観察を好む人も多く存在する。

大字粗戸にあるマンホールに須田恭也と安野依子が入り、そこで四方田春海が屍人ノ巣へ進入する入り口を作った。
関連大字粗戸須田恭也安野依子四方田春海

実(み)
堕辰子の血肉であり、それを食べた八尾比沙子の血であり、またその八尾の直系の子孫である神代の血のこと。
八尾は堕辰子の肉を食べて呪いをかけられてから、堕辰子の体(血=実)を返すために自らの子孫である神代家の姉妹のうち、妹の身(=実)を堕辰子に捧げていた。八尾はこれを長年続けていたが、とうとう美耶子(当代)という強い御印を持った「実」が生まれ、八尾はこれでようやく堕辰子が復活し、贖罪が終わると思っていた。
しかし第2日0:23:36で美耶子が恭也と血の契約を交わしたことにより、美耶子の「実」としての完全性が失われ、第3日0:00:08に行った儀式で、堕辰子は不完全体として復活してしまう。
また、もう一方の「実」である亜矢子は、本来ならば次代の「実」を産むために現世に残されるが、完全な「実」を手に入れて次の「実」はもういらないと早とちりした八尾は、亜矢子の体を焼き払ってしまう。
こうして、現時点における自分以外の実をすべて失ってしまった八尾だったが、いんふぇるので自らの実を捧げることにより、堕辰子を完全に復活させることに成功する(が、すぐに恭也の手によって倒される)。
関連堕辰子八尾比沙子神代美耶子神代亜矢子
稗え田ノ木ノ実「永遠の契約」

三島酒造(みしま・しゅぞう)
石田徹雄が第33回羽生蛇村きき酒大会で優勝して獲得した日本酒「大予言」を製造している酒造会社。
関連大予言石田徹雄羽生蛇村きき酒大会

水鏡(みずかがみ)
屍人ノ巣の中枢にある、いんふぇるのへの扉。赤い水はここから溢れ出て、異界中を満たしている。第3日に行われた儀式もここで行われ、ここから堕辰子は現れて復活した。
恭也はこの水鏡に映る美耶子の力を借りて、水鏡を通りいんふぇるのへ到達することができた。なお、水鏡を通っていんふぇるのに到達できるのは、堕辰子とその血の力を持った者のみである。
関連いんふぇるの赤い水堕辰子屍人ノ巣

水野 雅美(みずの・まさみ)
安野依子のモデルと声を担当したモデルさん。
ミル・ビサージュ アジャンス所属。1981年12月1日生まれ。趣味はスキューバーダイビング。実家がとてもお金持ち。
大学時代は民俗学を専攻しており、ゼミの先生が好きだから民俗学を選んだらしい(ただし、そのゼミの先生は女性)。
現在、ブログ「水野雅美爆裂ボディ」で、モブドルを目指し中。また、父親の仕事を継ぐために司法書士の資格取得めざして勉強中。
関連安野依子

水蛭子神社(みずひるこ・じんじゃ)
蛭ノ塚にある神社。
眞魚教が確立する以前に、土着信仰の拠り所となっていたが、村人の全員が眞魚教を信仰するようになってからは打ち捨てられて忘れられつつあった。1976年の異変で異界に引きずり込まれている。
はるか昔、泉から現れたという「蛭子命」を祭神として祀っている。
関連蛭ノ塚水蛭子神社縁起水蛭子神社御神籤

水蛭子神社縁起(みずひるこ・じんじゃ・えんぎ)
水蛭子神社の起こりを記したもの。
ある日、童が泉で水を汲もうとしていると、その泉から人魚が現れ、「我は我は蛭子命。泉の水を以て酒飯を作り、私に奉じよ」と言った。童はそのことを村人に話すと、村人たちは驚いて社殿を造り、神霊を鎮斎したという。
蛭子命は、日本神話では伊邪那岐命と伊邪那美命から初めに生まれた神であるが、蛭のような不具の神であったため葦に乗せて流された。この蛭子神が流れ着いたとする伝説は各地に残されているが、海に流された蛭子神が泉に流れ着いたとするのは羽生蛇村独自のものである。これは、はるか昔、羽生蛇村に現れた堕辰子を村人が食してしまったという禁忌を、表面的に隠蔽するために作られた話であるからと考えられる。「葦舟に乗せて流された蛭子命」と「天から降ってきた堕辰子」とがイメージ的に似ていたことも一因であろう。
関連水蛭子神社

水蛭子神社御神籤(みずひるこ・じんじゃ・おみくじ)
水蛭子神社で引くことができる御神籤。大吉、吉、凶、大凶の4種類の運勢がある。
内容は以下の通り。

【大吉】 春の日の暖かな光差し込み神の思いとひびきあう
願望 思う通りに運ぶ
待人 すぐに来る
失物 必ず出る
旅立 遠方に宝有り
商売 利益あり売りに吉
学問 安心して勉学せよ
争事 思いのままに勝つ
恋愛 一線を超える
病気 必ず治る
縁談 子宝の恵み有り

【吉】 山有り谷有り、喜びもあるが苦労もある
願望 あなどれば仕損ず
待人 障り有り来たらず
失物 高き処に有り
旅立 近場なら良し
商売 売れ待てば損
学問 密かにすれば吉
争事 油断すべからず
恋愛 やがて有利になる
病気 重し、医師を選べ
縁談 父母の反対有り

【凶】 ほのかな月の光たよりに進む暗き細道
願望 辛抱すべし
待人 あてにせず待て
失物 物にかくれて出ず
旅立 靴下に穴が開く
商売 思いがけぬ災難
学問 妨げ有り
争事 相手を見て立て
恋愛 良人だが危い
病気 重し、身内を呼べ
縁談 見込み無し

【大凶】 春見ること無く朽ち果てる冬枯れの草木
願望 願うだけ無駄
待人 呼べど来たらず
失物 女の知る事有り
旅立 八方ふさがり
商売 下りの一途
学問 覚えても忘れる
争事 泣いて謝れ
恋愛 争いへと発展
病気 死へと通ず
縁談 一生縁無し

当サイトにも「水蛭子神社御神籤」があるが、オリジナルの中吉+αが入っている。ということで、元祖がやりたい方はこちらをどうぞ。
関連水蛭子神社

水蛭子神社湧水(みずひるこ・じんじゃ・わきみず)
水蛭子神社の近くにある湧水。この湧水に水蛭子神社の祭神、蛭子命が流れ着いた、と伝えられている。
ただ、蛭子命=堕辰子という考えを取ると、この湧水はただの湧水でしかない。
異界に引きずり込まれた後は、湧水はすべて赤い水に変化しており、竹内多聞は「エリザベート・バートリーの血の風呂を思い起こさせる…」という感想を述べている。そして、美浜奈保子はこの赤い湧水に入水して永遠の若さを得ようとしたが、半屍人化する。
関連水蛭子神社美浜奈保子エリザベート・バートリー

三隅郡(みすみ・ぐん)
羽生蛇村がある地域名。どこかの県の内陸に位置するらしい。
ちなみに山口県に三隅町があるがおそらく関係ないだろう。
関連羽生蛇村

三隅錫(みすみ・すず)
羽生蛇鉱山でしか産出されない希少な錫。羽生蛇トライアングルはこの三隅錫でできている。
堕辰子が宇宙人であるとする立場からは、この三隅錫に「宇宙から飛来した未知の金属」が含まれているとする。
関連羽生蛇トライアングル

三隅日報(みすみ・にっぽう)
三隅地方で発行されている地方新聞。主に三隅郡に関する記事が掲載されていると思われる。基本的に朝刊と夕刊が発行されている。
1975(昭和50)年7月7日朝刊は、6月上旬からの長雨の影響で、波羅宿地区にある防空壕施設跡が地盤沈下を起こし、二次災害の恐れが出ているという記事を載せている。
1976(昭和51)年7月31日夕刊には、30日未明、眞魚川水門付近上空に光柱現象が発生した記事を掲載し、光柱現象は地上の明るい光源が空中の氷層に反射して起こる、という解説を加えている。
1976(昭和51)年8月3日朝刊には、大雨、土砂災害が三隅郡を直撃し、床下浸水48棟、山崩れによる倒壊建物多数、行方不明者33人で生存者は絶望的であると記されている。
その翌日の1976(昭和51)年8月4日夕刊では、吉村俊夫・郁子夫妻の遺体が発見され、行方不明者数が31人となったことが掲載されている。
2002(昭和77)年3月3日朝刊では、県道333号で乗用車が落雷で炎上し、それに乗っていた四方田春夫・秀美夫妻が死亡した記事が載っている。またその隣には警官が酒気帯び運転を起こしたという記事も載せられている(ちなみに、この警官は石田巡査ではないという結論に達している)。
そして2003(昭和78)年8月6日号外では、四方田春海が土砂災害から3日ぶりに奇跡的に救助されたことを報道している。
関連三隅郡光柱現象吉村俊夫吉村郁子
四方田春夫四方田秀美四方田春海

満田 伸明(みつだ・のぶあき)
牧野慶と宮田司郎のモデルと声を担当した役者さん。
鰍ウち子プロ所属。1974(昭和49)年1月8日大阪府生まれ。趣味は映画鑑賞、中国語。特技はアルトサックス、ダンス、ボウリング。
関連牧野慶宮田司郎

南 りさ子(みなみ・りさこ)
八尾比沙子のモデルと声を担当した役者さん。
それ以外はすべて不明という、演じた役と同じで謎の人物である。
関連八尾比沙子

美浜 奈保子(みはま・なおこ)
元グラビアアイドルで、「ダークネスJAPAN」のTVレポーター。
かつては人気ドラマ「ハートはドキ土器」の主役を演じ、グラビア雑誌の表紙を飾っているなどした美浜だが、徐々に売れなくなっていき、果てには超低予算のオカルト番組のTVレポーターとして何とか芸能界で生き残っている。
羽生蛇村には「ダークネスJAPAN」の撮影で訪れていた。車中泊をしていたが、眠れずに一服しようと外に出た時、眼下に奇妙な光を見つけたところ、異変に巻き込まれる。意識を取り戻してからは、TVクルーと合流しようとしたが、ロケバスごといなくなっていることに気づき、ムカつきながらも一人で異界をさまようことに。
途中、蛇頭峠で志村晃と出会うが、わけのわらぬうちに見放されてしまう。それから銃を手に入れて屍人を撃退しながら行動していたが、山をさまよううちに学校の体育館にたどり着く。そこの図書館で見つけた民話集で赤い水と永遠の命との関連性を知ると、永遠の若さと美しさを得るために、「プチ整形で今日から違う人生を!今ならお試しキャンペーン中!」を試すかのような興味本位で水蛭子神社の湧水に入水し、期せずして半屍人化してしまう。それからは刈割で前田知子に付きまとい、海送りした後はよりにもよって犬屍人化してしまう。
なお、美浜の履歴書を見ると、誕生日が1976(昭和51)年8月23日となっており、これを信じる限りでは美浜の年齢は2003年8月3日現在で26歳だが、美浜は中学校を1989(昭和64)年3月に卒業しており、これから計算すると、美浜の実年齢は28歳である。
趣味はモンゴル料理、特技はケーナ演奏。
本名は田中奈保子。
名前の元ネタは網浜直子か?
モデルと声を担当したのは小代恵子。
関連ダークネスJAPANTVレポーターハートはドキ土器
26年式短銃田中奈保子モンゴル料理ケーナ演奏
小代恵子

宮迫屍人(みやさこ・しびと)
半屍人の一人が雨上がり決死隊の宮迫博之に似ていることから付けられた名前。須田恭也/第2日/20:00での食堂にいる半屍人がそれらしい(画像参照)。
なおその宮迫屍人のモデルを担当したのは、『SIREN』のバックグラウンド・ディレクターを担当した堀川直美で、制作スタッフからも宮迫屍人と呼ばれているようである。ちなみに堀川さんはブログ「notte notte」を展開している。

宮田医院(みやた・いいん)
比良境にある宮田司郎が院長を務める病院。
旧病棟が大正15年に開業。当初は病床数15床であったが、昭和16年に日本軍指定病院に認定されたことで、翌17年には病床数が66床に増加している。
1976年の災害で旧病棟が消失する以前に新病棟が設立されて、旧病棟は災害当時は既に使われていなかった。つまり宮田司郎が育ったのは新病棟の方である。
旧病棟には監禁用と思われる隔離室や隠し地下が存在しており、新病棟にも隠し地下が設置されている。このような設備を宮田医院が用意しているのは、村の歪みに気づき、それを暴こうとする者や、屍人などを収容するためであり、病院が村の暗部を担っているためである。村の暗部を暴こうとしていた志村貴文や、不完全な犬屍人として異界から舞い戻ってきてしまった吉川菜美子も監禁されていた。
関連宮田司郎比良境旧宮田医院隔離室
志村貴文吉川菜美子

宮田医院歴史年表(みやたいいん・れきし・ねんぴょう)
宮田医院の歴史を記した表。旧宮田医院の倉庫にあった。
昭和16年に日本軍の指定病院に認定された翌年、病床数が66に増えているのは、戦時中、羽生蛇村の呪いに目をつけ、屍人の軍事利用計画が存在しており、宮田医院は軍部の支援によって一気に規模を拡大したからである。ただ、この軍事利用計画は終戦前後の混乱の中で、闇に葬られているらしい。
関連宮田医院

宮田 司郎(みやた・しろう)
1.宮田家の跡取りとして、宮田医院の院長となることを運命づけられた青年。
司郎はもともと吉村家の双子の弟・吉村克明として生まれ、1976年の消失事件によって一時は異界に巻き込まれるが、跡継ぎが求められていた宮田家のもとへ"因果律に従って"必然的に現世に戻され、宮田家の実の息子として育てられることとなる。
宮田医院は、神代家を裏で支えている存在である。神代家のためならば平然と手を汚し、違法な行為もいとわない。そんな環境の中、司郎は宮田家を継がせるためだけに異常な愛情を注ぐ母親・涼子と、それを狂気の沙汰と感じつつもどうにもできない他人同然の父親によって育てられていく。自分の半身である牧野家の跡継ぎの牧野慶は「求導師様」として皆に慕われているのに対し、司郎はその影として生き、一生仕えなければならない立場にいる。羨望や怒り、憎悪などの感情を胸に抱きながら、司郎はそういった感情を封じながら成長し、その後若くして宮田医院の院長に就任する。
神代家のためにその手を汚してきた司郎であったが、村が執り行っていた夜に恋人であった恩田美奈を突発的に絞殺してしまう。その殺人の真実はいまだ不明だが、美奈が宮田のコンプレックス(=求導師の牧野)に触れてしまったからというのが一般的である。また、美奈は妊娠していたらしく、そのことも一因であったかもしれない。宮田は予定外の犯行を隠すために美奈の遺体を森へ埋めたが、そこで異界に巻き込まれてしまう。
異界で目覚めた司郎は、美奈を埋めた場所が内側から掘り起こされていることに気づき驚愕する。その不可解な出来事の真実を突き止めるため、宮田は異界を行動するが、その途中で、美奈の双子の妹・恩田理沙と遭遇し、一緒に行動することになる。
なんとか無事にたどり着いた旧病棟で、屍人と化した美奈と遭遇し硫酸瓶で撃退。逃げた美奈を追った先で、今度は美奈と同調した理沙を絞殺してしまう(この理沙殺害の動機は今だ良くわかっていない。理沙が「美奈として」襲ってきたから殺したらしいが…やはり良くわからない)。
また司郎は物心着く前から繰り返し同じ夢を見続けており、その夢の中では旧病棟の隠し地下で監禁されている先代・神代美耶子が何かを必死に伝えようとしていた。その先代・美耶子の声に導かれるように司郎は異界で行動している時があり、司郎が隠し地下で先代・美耶子を見つけ、宇理炎を手渡されたのも、先代・美耶子の導きである。そして恭也と依子を助け、依子に神代の血が混ざった恭也の血を輸血するなど、宮田の行動には先代・美耶子の導きによるものが多い。
司郎は医者としての見地から赤い水の正体を知ろうと、屍人化した理沙と美奈を解剖実験していたが、傍から見ればただのマッドドクターでしかない。だが、そうした危うさがまた宮田司郎の魅力でもある。
そして、宮田は屍人ノ巣の中央交差点で、「殺人者・宮田司郎」という存在を消し去り、兄である牧野慶を射殺し、自らが「求導師・牧野慶」と成り代わり、村を救うために行動する(第3日7:00以降の宮田の行動は牧野慶の項を参照)。
名前の元ネタは山崎豊子・原作のドラマ『白い巨塔』(1978-9年放送)で主役の財前五郎を演じた田宮二郎。
モデルと声を担当したのは満田伸明(二役)。

2.宮田家に生まれた本当の宮田司郎。1976年に起きた異変の時、粗戸にいる乳母のところへ預けられていたことが災いして土砂災害に巻き込まれて死亡した。
関連牧野慶恩田理沙恩田美奈神代美耶子(先代)
宮田涼子宮田医院医師求導師吉村克明
ネイルハンマーラチェットスパナ宇理炎
満田伸明

宮田の車(みやた・の・くるま)
宮田司郎が美奈の死体を埋めるために蛇ノ首谷まで乗ってきた車。車種は不明だが、おそらく高級車。異界に引きずり込まれた拍子に起きた土砂崩れによって、土砂に埋まってしまった。
宮田はこの車のトランクから、ラチェットスパナと発煙筒を入手している。
また、恭也は宮田の車に火をつけ、屍人を誘導している(ちなみに竹内の時にこの車を調べるときちんと焼け焦げている)。
関連宮田司郎須田恭也ラチェットスパナ発煙筒

宮田 涼子(みやた・りょうこ)
宮田司郎の母親。先代求導師だった牧野怜治の妹でもある。
宮田家に嫁いだものの子宝に恵まれず、「跡継ぎの産めない嫁」として苦労していたが、1976年6月に司郎を出産。しかし司郎の誕生と引き換えに子供を一生産めない体になってしまう。そのため、涼子は司郎を過剰に溺愛していたが、1976年の異変で司郎を失ってしまう。
失意の底にいた涼子であったが、神代家の使いで牧野怜治のもとを訪れた際に、突然空中から出現した車から双子の赤ん坊、吉村孝昭と吉村克明を見つけ、克明を吉村郁子から奪い、宮田家の跡取り=司郎として育てる。その育て方は誰から見ても異常であり、そのため司郎にある種のトラウマを植えつけてしまった。
涼子は司郎に殺されたという見解もあるが、真実はまったくの不明である。
関連宮田司郎牧野怜治

「みやちゃん」
四方田春海は、羽生蛇村に異変が起きる数日前に神代美耶子と親密になっており、春海は美耶子のことをこのように呼んでいた。
「宮ちゃん」などと間違った変換をすると、物語がさらに複雑になるので注意。
関連四方田春海神代美耶子

民俗学(みんぞく・がく)
信仰・風習・伝承を研究し、伝統的な文化や思考様式、それらの変遷を明らかにしようとする学問のことで、竹内多聞と安野依子が大学で専攻していた分野。
誕生から、育児、結婚、死に至るまで人間の生活にはさまざまな儀式が伴っており、また普段の衣食や、地方の祭礼などの中にもさまざまな習俗や習慣、しきたりがある。これらの風習の中にはその由来が忘れられたまま、あるいは時代とともに変化して元の原型がわからないままに行なわれているものもある。民俗学はこうした習俗の綿密な検証を通して伝統的な思考様式を解明する学問である。
日本の民俗学は柳田国男や折口信夫たちが基礎を築いた。日本ではもともと在野の学問であったが、近年では全国各地の大学で民俗学を専攻することができる。また、水木しげるや諸星大二郎、京極夏彦らの作品によって、民俗学に興味を示す人も少なくない。
研究の手法としては、聞き取り調査、フィールドワーク(実地調査)、文書などの記録の観察、建築や日用品から民間伝承まで様々な事物の観察などが用いられることが多い。歴史学、文化人類学、社会学や宗教学などと密接に関連し、また時にひとつの研究が民俗学とそれらの領域とにまたがるものになっていることもある。
『SIREN』の世界観を理解するうえでは、切り離すことができない学問である。
関連竹内多聞安野依子

「昔読んだマンガ」(むかし・よんだ・まんが)
『王家の紋章』

婿養子(むこ・ようし)
婚姻と同時に夫が妻の親と養子縁組すること、またはその場合に養子になった夫のこと(以下、夫=神代淳、妻=神代亜矢子、妻の親=神代政太郎に入れ替えて読むと理解しやすいかと思われる)。夫は、婿養子になることにより、妻の親の嫡出子、推定相続人となる。そのため、跡継ぎとして男性を欲する家がある場合に行われることが多い。
旧民法には婿養子に関する規定が存在していたが、昭和22年に改正された民法で婿養子の制度は法律上廃止されている。ただし、養子と養方の傍系血族との間の婚姻については近親婚禁止の規定が適用されないこともあり、婚姻と同時に夫が妻の親と養子縁組することができないわけではない(要するに、淳と亜矢子は兄妹であるが、結婚することができる)。
なお淳は幼い頃から神代家の養子となっており、その時点では結婚要件を満たしていない(男性は18歳以上でないと結婚できない)から、厳密には言うと淳はかつての婿養子とは違う。
関連神代淳

武蔵精肉店(むさし・せいにく・てん)
大字粗戸の三蛇橋付近にある精肉店。
「肉あります」という当たり前な貼り紙をはっている。
関連肉あります

「無駄な抵抗は止めなさい」
(むだな・ていこう・は・やめなさい)
須田恭也の前日23:00のプレハブで、恭也と石田徹雄が扉の開け閉め合戦をしていると言う石田の台詞。
関連石田徹雄

村(むら)
複数の家が集まる人間の定住地・共同体の一種。日本国憲法のもとでは、村(そん、むら)は地方公共団体のひとつで、都道府県の下にあり、市・町と並立する。
近代化以前の村は、自然村(しぜんそん)ともいわれ、生活の場となる共同体の単位であった。江戸時代には百姓身分の自治結集の単位であり、中世の惣村(そうそん)を継承していた。江戸時代の百姓身分とは主な生業が農業・手工業・商業のいずれかであるかを問わず、村に石高を持ち、領主に年貢を納める形で権利義務を承認された身分階層を指した。なお、近現代の大字(おおあざ)といわれる行政区域は、ほぼかつての自然村を継承しており、現在でも自治会(地区会・町内会)や消防団の地域分団の編成単位として、地域自治の最小単位としての命脈を保っている面がある。
明治時代になってからは、中央集権化のため、自然村の合併が推進された。こうしてかつての村がいくつか集まって新たな「村」ができたが、これは行政村(ぎょうせいそん)ともいわれる。
最近では大合併により村の数が少なくなってきており、2006年4月13日現在で全国の村の数は197である(参考として2005年12月29日現在の全国の村の数は245)。
なお、羽生蛇村は三隅地方にある架空の村である。
関連羽生蛇村

村の呪い(むら・の・のろい)
八尾比沙子たちが堕辰子の肉を食してから、羽生蛇村は呪いをかけられている。
村人たちは、年を取らずにいつまでも同じ姿でいる求導女・八尾比沙子の正体について深く考えようとすると、意識が遠くなって考えることができなくなる。そういった呪いがかけられているのは、すべて儀式を円滑に行わせるためであろう。しかし、こういった呪いにかからない者が時々生まれることがあり、志村家はそういった「勘の強い者」を多く輩出する家系であった。
関連八尾比沙子志村晃

眼鏡(めがね)
近視や乱視などの目の屈折異常を補正したり、目を保護したり、着飾るための器具。英語でa pair of glasses(一組のガラス)と呼ばれるように、本質的には眼前に置かれた2枚のレンズであり、そのレンズを支えるリム、耳に掛けるためのテンプルなどのフレーム部分とで構成される。
眼鏡に使われるレンズの種類には球面凹レンズ、球面凸レンズ、円柱レンズ、非球面レンズなどがあり、眼の屈折異常によって異なる種類のレンズが使われる。
レンズの材質には主にプラスチックレンズが用いられるが、他にはガラスレンズやサファイアレンズなどがある。
レンズの形状は、丸目(丸型。ロイド型とも)、オーバル(楕円型)、ボストン型(逆おむすび型)などに分類される。
フレームの構造による分類では、鼻当てとテンプルによって支える最も一般的な形式のつる付き眼鏡、テンプルはあるが鼻当てがなくブリッジが直接鼻に当たって眼鏡を支える一山、他には柄付眼鏡、鼻眼鏡、片眼鏡がある。
フレームの材質による分類では、チタン、アルミニウム、ニッケル合金、貴金属などの金属素材を使ったメタルフレーム、アセテートに代表されるプラスチックなどを使用した有機素材フレーム、金属素材と有機素材の両方を使ったコンビネーションフレームなどがある。
リムの形状による分類では、金属製の縁でレンズの全周を覆ったフルリム、レンズの外周を覆う縁のない縁無し(リムレス、ツーポイント)、レンズの上半分のみを金属製の縁で覆ったナイロール(ハーフリム)、レンズの下半分のみを金属製の枠で覆った逆ナイロールがある。
マンガなどでは「眼鏡を取ると美少女だった」というのが王道であった(ただしそのような王道はもともと存在せず、1970年代になって意図的に作られたものであるという意見もある)。それに対しては近年では、「メガネを外すと実は美少女というのは処刑もの」「コンタクトは邪道」「眼鏡っ娘は眼鏡をかけている状態が素顔」といった、いわゆる「眼鏡っ娘萌え」が一部で強く主張されている。また、男で眼鏡を掛けている人は「メガネくん」などと呼び、「メガネを取っても美形ではあるが、普段はメガネを外さない」メガネくんが最も好ましいらしい。
なお、眼鏡は体の一部である。
安野依子は『SIREN』の登場人物の中で、唯一眼鏡を掛けている。その眼鏡は志村に撃たれた時に外れており、後にその眼鏡は宮田が恭也と依子を助ける際に一緒に拾っている。しかしその拾った眼鏡を依子は掛けていかず、旧宮田医院に置きっ放しにされた。そしてその眼鏡は宮田の匂いがついていたからか、恩田美奈が大事そうに眺めていた。
竹内によると、眼鏡を取った依子は屍人顔。
関連安野依子

目覚まし時計(めざまし・どけい)
指定の時間に起床させることを目的とした時計。
音声を鳴らして起床させるものが一般的であるが、他にも振動や光、香りなどによって起床させるものもある。最近ではスヌーズ機能という、いったん音声鳴動を止めても再び鳴り出す機能を装備した目覚まし時計も多い。
四方田春海は、目覚まし時計を用いて名越頭脳屍人を誘導した。
関連四方田春海

免許証(めんきょ・しょう)
免許とは一般に、禁止・制限されている行為を行政機関が特定の人に対して許すことや、特定の人に権利を定めて地位を与えることであり、それを証明する書面を免許証・免許状などと呼ぶ。
1.普通自動車と原動機付自転車を運転できる普通免許のこと。免許取得資格は18歳以上。日常会話で「免許」などと言う場合、この免許のことを指すことがほとんどである。
普通自動車運転免許を最初に受験する場合、一般的に自動車学校で仮運転免許を取得し、路上での教習、学科教習を受けた後、路上での卒業検定に合格した後に、各都道府県の運転免許試験場で受験申請する。指定自動車学校の卒業者は、視力などの適性検査と学科試験に合格すれば免許が与えられる。
運転免許証は、顔写真付きの公文書で本人確認が可能であり保有者が多いことなどから、日本国内では身分証明書として幅広く利用されている。
免許を受けていた期間が5年以上であって、かつ更新前の免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の40日前の日から5年間、無事故・無違反の者には、優良運転者としてゴールド免許(優良免許)が交付される。ゴールド免許は、有効期間が更新日などにおける年齢によって最長5回目の誕生日まで延長されるほか、自動車保険料が安くなるなどのメリットがある。なお、免許を取得してから一度も運転しなくても無事故・無違反であるためゴールド免許が交付される。だからゴールド免許=運転が上手いというわけではない。
蛇ノ首谷の折臥ノ森に落ちていた宮田の免許証はゴールド免許である。
2.狩猟免許証
関連宮田司郎

盲目(もうもく)
視覚障害の一種で、目が見えないこと。まったく見えない場合のほか、ほとんど見えない場合も指す。
神代美耶子(当代)は盲目であるが、幻視能力を持っているため、盲導犬であるケルブの視界を使って行動することができた。しかしケルブが死んでからは恭也の視界を使っている。
また盲目である分、幻視能力が高いため、美耶子は強い御印を持った完全な実であると考えられていた。
関連神代美耶子ケルブ須田恭也

戻り橋(もどり・ばし)
蛇ノ首谷にある石造りの橋。
竹内多聞は幼少時代、この橋の欄干に傷をつけて落書きをしていた。その思い出を依子に話していたところ、空気が読めない志村によって依子は射撃された。
名前の元ネタは、安倍晴明が式神を隠したとされる一条戻橋。なお、一条戻橋はあの世とこの世をつなぐ橋とされている。
関連蛇ノ首谷欄干の傷跡

桃子伯母さん(ももこ・おばさん)
2002年に起きた落雷事故で両親を亡くした春海を引き取った春海の親戚の伯母さん。
ゲームでは「伯母さん」としか呼ばれていないが、Forbidden SIRENで名前が紹介されている。これを見る限りでは、普通に優しい人物であると思われる。
関連四方田春海

もやし中華(もやし・ちゅうか)
大字粗戸にある食堂にあったメニュー。辰巳さんの情報によって発覚した。
名前からして冷やし中華の羽生蛇バージョンであると思われる。考えられるパターンとしては、冷やし中華の具の代わりに味をつけたもやしと苺ジャムを乗せたものが一番まともだろうか。もやしを中華風に味付けして苺ジャムを乗せてももやし中華にはなりうる。なんにせよ苺ジャムは欠かせない。
関連大衆食堂?

モンゴル料理(もんごる・りょうり)
美浜奈保子の趣味。
伝統的なモンゴル料理は、肉・小麦粉・塩を基本とするシンプルなもので、ボーズ(モンゴル風の蒸しまんじゅう)やバンシ(モンゴル風水ギョーザ)、チャンスン・マハ(羊肉の塩煮)、ノゴートイ・シュル(野菜スープ)などがある。
関連美浜奈保子



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